ゼロベースからの化粧品の品質管理【第61回】
―品質保証の実務と運用設計―
前回は、品質保証体制に関する本題から少し逸れて、薬機法改正に伴う「特記表示」の通知を受けての、商品企画から始まる体制の見直しについて説明しました。
今回は、規定や手順書が整備されているにも関わらず、現場での実行力に乖離が見られる事例が多いと感じています。そのため、本来の化粧品における品質保証体制を充実させるため、現場の実態に即した規定や手順書の進め方について考察したいと思います。
先日、企業のトップが「労災が発生してしまった。ルールを守らない者が多い」と嘆かれていました。しかしながら、トップは指示を出すものの、現場に足を運ぶことは少ないようです。トップ自らが現場に足を運び、そこで何が起こっているのか、現場で働く人々がどのように仕事を感じ、実行しているのかを確認することが問題解決への第一歩であると考えています。なぜなら、書面上での議論や指示だけでは、現場の真実を十分に理解することは難しいからです。
品質保証においても、同様のアプローチが求められます。品質保証部門は、単なる書類管理にとどまらず、現場で実行可能な運用設計と、それに基づく継続的な改善活動に注力することが求められます。単にルールを監視し、ルール化に重点を置くのではなく、現場の担当者を巻き込み、彼らが納得しやすく、かつ初心者でも理解しやすい運用設計を構築することが重要です。このような取り組みを通じて、品質保証体制を充実させていく必要があります。
そこで、今回はGMP(Good Manufacturing Practice)の要求事項と現場とのギャップを埋めるための運用設計について、以下の三つの柱を中心に、体系的にご説明いたします。
今回は、規定や手順書が整備されているにも関わらず、現場での実行力に乖離が見られる事例が多いと感じています。そのため、本来の化粧品における品質保証体制を充実させるため、現場の実態に即した規定や手順書の進め方について考察したいと思います。
先日、企業のトップが「労災が発生してしまった。ルールを守らない者が多い」と嘆かれていました。しかしながら、トップは指示を出すものの、現場に足を運ぶことは少ないようです。トップ自らが現場に足を運び、そこで何が起こっているのか、現場で働く人々がどのように仕事を感じ、実行しているのかを確認することが問題解決への第一歩であると考えています。なぜなら、書面上での議論や指示だけでは、現場の真実を十分に理解することは難しいからです。
品質保証においても、同様のアプローチが求められます。品質保証部門は、単なる書類管理にとどまらず、現場で実行可能な運用設計と、それに基づく継続的な改善活動に注力することが求められます。単にルールを監視し、ルール化に重点を置くのではなく、現場の担当者を巻き込み、彼らが納得しやすく、かつ初心者でも理解しやすい運用設計を構築することが重要です。このような取り組みを通じて、品質保証体制を充実させていく必要があります。
そこで、今回はGMP(Good Manufacturing Practice)の要求事項と現場とのギャップを埋めるための運用設計について、以下の三つの柱を中心に、体系的にご説明いたします。
(1)規格要求事項を現場で実行可能な手順・記録様式へと落とし込む
(2)人と仕組みの管理方法の最適化
(3)リスクマネジメントとヒューマンエラー分析を通じた継続的改善
これらの柱を基に、現場での実行力を高め、より実践的で効率的な品質保証体制の構築に向けた方策を明確にしていきたいと考えています。
1.品質標準書(QMS)やSOP(標準作業手順書)を作業者がルールを守らない理由
既に何回かお話していますが、作業者がルールを守らない理由は複数の要因が絡み合っており、単純に解決するものではありません。しかしながら、要因について理解し、適切な対策を講じること重要で、品質保証体制の強化に繋がります。
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