GMP製造現場ワンポイントアドバイス【07】

合格・不合格(不適合品)の表示

■本稿の読み方
筆者が医薬品製造・品質の現場で経験してきたことをベースに、現場で頑張る皆さんのお役に立ちそうなポイントをまとめていきます。一部事例も含めますが、創作も含めて一般化しています。あくまで一例としてとらえ、自社運用に照らし合わせて考えるきっかけとなると嬉しいです。
おおよそ月に1回のペースで掲載していきますので、ぜひ、隣の席の方、グループ、チームメンバーで読み合わせ、継続的改善に繋がるディスカッションのネタとしてご利用ください。


 連続生産がもたらす変革がグローバルにおける日本企業の将来に大きく影響します。確かにMES/LIMSやeQMSまで投資できない中小・零細企業も多い現状も、再編における行政支援が活用されますように祈念する思いです。生き残りの条件は、開発力とGMPレベルだと思います。GMPはどうすればいいのでしょうか?「脱机上の空論」をお勧めします。お声かけていただければ参ります。「汗して学ぶ」一緒に頑張りましょう。

 人は活かすもの

 やる気で企業存続の危機を乗り越える。その為には、お金は欠かせぬことです。昔、プロジェクトに対し本部長賞として、1000万円を事業所に頂いた。この資金を次年度のプロジェクト等の改善資金にすると、全員の前で工場長の発言。全従業員は改善の炎を奮い立ったせたことを思い出す。「人は活かすもの

 ラベルの枚数管理(資材管理)

 グローバルを目指した工場での話です。今では、包装工場でラベルはロール巻で裏に連番を印字です。この考えを提言し商品化しました。合成工場では枚数も少ないので実枚数をカウントカットです。例えば、ロールは4枚幅とか5枚幅にカット。伝票に余分を入れてあっても注文量より多い場合は廃棄した。よって1枚だけでも追加出庫や返却入庫です。その会社では、基本的に現場に在庫を持ちません。冷凍保存の中間体は現場保管ですが、管理は、業務・倉庫の保管責任者の責務です。入出庫管理の精度=指図書の精度(FDAの指摘)。現場に出庫しっぱなしは、間違い(例;旧版誤使用)を誘発します。セキュリティー管理は最低でも設置してください。南京錠なんて不安です。

 包装見本品の管理

 製造所で製品見本の管理を指摘したことがあります。1.見本品の最新化 2.貸出管理 3.施錠管理 4.品質部門の承認 結構、いい加減なところをお見受けしました。製品への混同する危険から指摘です。GMP三原則の「人の誤り防止」です。

 合格・不合格(不適合品)の表示

 FDA査察にて指摘されたことです。検収中、試験中、出荷待ちなどは業務・倉庫の職務です。しかし、合否に関わる表示管理(例:表示・押印・期限切)はQA(品証)の職務です。いくら忙しい理由があっても他部門で行ってはいけません。原材料の合格有効期間を外れたときの再試験依頼待ち表示もタイムリーに実施です。MES/LIMS導入をお勧めします。新しい工場の建設に絶対必要です。ある都道府県のGMP調査では、MES/LIMSが入ってないと「改ざん」すると言っているそうです。是非とも本来あるべき姿を大切にすることからGMPを作りましょう。
 ※最新機器は、LIMS/LIMS対応機能があるからです。

 設備の声を聞け

 TPM(トータルピーエム)の活動は、設備の声(調子いいか?)を聞く生産人として当たり前の技術です。私はどこの製造所に転職しても、聴音機をもって一日2回(10時、15時)巡回を薦めて参りました。機械の構造を学ぶ機会であり、ベアリングのゴロゴロ音とかすり音を身に着けるのです。ただ動かすのは、怖い結果を生じます。あなたの大切な家族の健康、あなた自身の健康と同じ位、機械設備は同僚です。壊れたらどこが問題か?調べます。韓国では調査より新調するみたいです。中国は、日本の技術が影響して調査をしっかりします。API監査での経験(韓国)ですが、防爆設備での有機溶媒扱いで電気コンセントの市販品とか、有機溶媒の使用後ウエスの放置を指摘しました。細かいと購買に苦情されましたが、一か月後に工場が燃えました。この感性を若者は得るべきです。GMP-SOPの通り、作業するだけじゃだめだよ。「設備と友達になってください」

 

 

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