【第27回】デジタルヘルスで切り拓く未来

「グローバル展示会と連動して進む」


●要旨
 6月下旬に大阪で開催されたグローバル展示会「Japan Health」は、多彩な動きを見せました。テーマの一つ「長寿の社会」は、日本の姿が世界にとってどれほど役立つ情報を提供するかを感じさせるものでした。JETROによるパビリオンや各種イベントの連動も心強いものがありました。産業の目で見れば、CDMOなど水平分業が持つ意義も大事にしなければなりません。人工知能(A I)の活用もまた新しい時代に入ることを予感させ、スマートヘルスへの眼差しを持ちましょう。

●はじめに グローバル展示会がもたらすもの
 世界的展示会の一つである「Arab Health」から、「Japan Health」への展開が本格化し、6月の下旬に大阪で開催されました。さらに世界的なブランドを目指して「WHX Japan」に進化するとの発表がありました。こうした国際的な要素のある大型展示会に参加して思うのは、日本の果たす役割は何だろうかです。極東にある島国ですが、平和を大切にしています。だからこそ可能な展示とマッチングがあると思います。さらに、日本は高齢化が進んでおり、他の国々にとって大変興味深い国でもあります。関心が集められる国としての働きをうまく活かし、もっとヘルスケアに貢献できることを願っています。「WHX」は、医薬品や医療機器のカテゴリーにこだわることなく医療からウエルビーイングまで視野に入れた運営です。その中で私たちはどのような働きができるのでしょうか。

<図表> 展示会から次のアクションへ

1 長寿の社会は大切なテーマである
 高齢化社会をマイナスと見るか、長寿で成熟した社会と見るか、様々な意見があります。長く健康を楽しむ仕組みや、その人らしさを最後まで保ち続けることは決してマイナスではありません。日本に期待されているのは知恵だと感じています。そこにはデジタルの力をうまく活用することで叶えられるものはたくさんありそうです。

 少なくとも効率化において、デジタルが果たす役割は大きいでしょう。人口のバランスを考えると、サービスを受ける側とサービスの提供側のバランスが悪いことは明らかですが、ケアを受けるよりも前の自立について目を向けたいところです。例えば、健康観察の記録や、つながりを保ち続けるための仕組みです。4人家族がマジョリティという時代はすでに終わっており、ひとり暮らしがマジョリティです。支える仕組みには自立を大切にすることも大事です。そのための道具としてのデジタル技術として、「Japan Health」でいろいろなものがありました。暮らしの中のセンシングもあれば、コミュニケーションや移動を支える技術も多彩に展開されていました。使い手に対して寄り添うものも多くありました。

 インテックス大阪会場だけではなく、関西・大阪万国博覧会(万博)の会場では一般の来場者も参加できる展示会「Health Design」が展開されていました。ここでは、一般の人とのコミュニケーションを提供するだけでなく、アクセプタンス(受容)の反応がわかります。

 

 

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