厚労省「コンピュータ化システム適正管理ガイドライン」の要点(16)

4.新ガイドラインとその解説(第15回の続き)
 新ガイドラインにおける重要な項目について以下に説明を加えた。より詳細な解説については日薬連から発行される解説書を参照して頂きたい。
 
6. 運用管理業務 
6.8 教育訓練 
6.8.1 教育訓練計画の作成 
運用責任者は、運用管理基準書に基づき、あらかじめ指定した者に、コンピュータ化システムを使用した業務に従事する者に対する教育訓練計画を作成させること。なお、教育訓練についてはGQP省令、GMP省令における手順に従って運用することが望ましい。 
6.8.2 教育訓練の実施 
運用責任者は、教育訓練計画に基づき、あらかじめ指定した者に次に掲げる業務を行わせること。 
(1) コンピュータを使用した業務に従事する者に対して、コンピュータ化システムを使用した業務に関する教育訓練を計画的に実施し、その記録を作成すること。 
(2) 教育訓練の実施状況について運用責任者の確認を得るとともに、品質保証責任者又は製造管理者若しくは責任技術者に対して文書により報告すること。 
6.8.3 教育訓練の記録の保管 
運用責任者は教育訓練の実施の記録を保管すること。
 
 旧ガイドラインには「教育訓練」という項目はない。「運用管理手順書の作成」のハードウエアの操作に関する事項として担当者の教育について触れているのみである。不思議なことに「GAMPガイド」においても30を超える付属資料があるにも拘らずトレーニングは含まれていない。
 「教育訓練」にあたってはGMP等における手順に従って運用することになるので、コンピュータ化システムとして独自に規定することはないのかもしれない。
 しかし、CSVに関する教育訓練は重要であり奥が深い。きちんと計画を練り、しかるべき人にしかるべき内容の教育を実施することが必要である。
 まずは、CSVに関する教育訓練をどこが主管部門として実施するかを決めなければ進まない。近年、国内の製薬企業においてもCSVに特化した部門を組織化する企業もあり、そのような企業はそこが推進部隊となる。しかし、そのような体制がない場合は、一般的には品質保証部門やIT部門などが行っていることが多い。
 初めに教育訓練の主管部門は教育訓練対象者のリストアップを行う。教育計画の作成にあたっては、現場ニーズや業界動向を加味しながら対象者への教育訓練計画を作成する。全ての必要な知識を自前でクローズする必要はなく、適宜、外部講師による教育訓練を盛り込むなど、社内外のリソースを有効に活用しながら取り組むことが望ましい。
 一方、特定のシステムに対するトレーニングについてはサプライヤの協力を得ながら、適切なタイミングで実施する。教育の不足はそのシステムの機能を十分に生かしきれないばかりでなく、誤った運用を行うこともある。以前、ある企業の方から「こんな機能があることは今まで全く知らなかった。サプライヤさんの提案通りに費用を払ってでも、もっと早くトレーニングを受けていれば良かった」というお話をお聞きしたことがある。サプライヤが提供しているトレーニングコースなどをもう一度見直してみよう。
 図に教育訓練の考え方をまとめた。
 

図.教育訓練の考え方
 
 教育訓練の実施にあたっては、できるだけ具体的な教育訓練計画書を作成することが必要である。また、教育訓練の実施後は実績を記録した教育訓練報告書を作成することも忘れてはならない。教育訓練報告書には自筆での参加署名を行うなどGMP等で規定されている方法で実施したエビエンスを残すことが必要である。

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