FDA:リモート評価を促進

FDAは、Covid-19パンデミックに対応し、渡航制限を考慮して、オンサイト査察のワーク・フローを適応させ、「リモート・レギュラトリー評価(RRA:Remote Regulatory Assesments)」という用語で代表される様々なタイプの遠隔評価を使用している。この「RRA」には、FDAが利用した「Remote Interactive Evaluations」、「Remote Record Reviews」など、異なる用語を用いた活動も含まれている。
FDAは、現在のパンデミック状況とは無関係に、FDAの規制する全てのタイプの製品に対し「RRA」の使用をしようとしている。FDAによれば、これまでの経験から、「RRA」の使用は、査察後の是正措置や現地査察が不可能な場合に施設のコンプライアンスに関する情報を得るとことに関し、多くの利点があるとして、COVID-19パンデミックの後も「RRA」を使用できる状況について説明し、「RRA」実施を促進するために、2022年7月、産業界向けガイダンス(案):「Conducting Remote Regulatory Assessments-Q&A」、https://www.fda.gov/media/160173/download を公開した。
このガイダンスでは、「establishments:施設」という用語は、外国か国内かを問わず、FDAが管理する法律の対象となる施設、団体、個人、輸入業者、敷地を意味している。現在のところ、RRAには、FD&C法に基づいて行われる強制的RRAと産業界の自発的参加により行われる自発的RRAがある。本ガイダンス案には、16項目のQ&Aが掲載されているが、RRAを利用して査察活動を簡素化するというFDAの意思が感じられ、これからの査察の在り方にも影響すると思われる。その内容を要約したので、参考にしていただきたい。
(PDF参照)

また、時を同じくして、世界の医薬品規制当局が参加する任意団体ICMRA(国際医薬品規制機関連合)は、CMC審査の標準化を目指して、共同ハイブリッド査察の実施を検討している。共同ハイブリッド査察とは、複数の規制当局が、オンサイト査察とリモート査察を組み合わせて使用し、バーチャル技術によりその施設で進行中のオンサイト査察を同時に複数の規制当局等がリモートで評価する査察である。始まったばかりで、国際的な協力が必要であり、時間はかかると思われるが、査察の省力化と標準化が期待されている。とにかく、Covid-19パンデミックが、世界の査察の在り方に大きな影響を与えたことは間違いない。
詳細はICMRAのウエブサイト参照: Pharmaceutical Quality – Regulatory Collaboration Pilots: Call for Industry Applications.

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