業界雑感 【2022年8月】

2022/09/02 その他

新型コロナウイルス感染症治療薬「ラゲブリオ」(一般名=モルヌピラビル)が8月18日に薬価収載され、一般流通が可能になった。

 新型コロナウイルス感染症治療薬「ラゲブリオ」(一般名=モルヌピラビル)が8月18日に薬価収載され、一般流通が可能になった。1カプセル2357.8円、1回4カプセルを1日2回、5日間の経口投与で用いるので、1処方での薬価は94,000円余りになる計算。感染症2類相当の見直しはあったとしてもコロナ感染症の治療費全額国費負担は当面は続けざるを得ない雰囲気なので、理屈上は軽症者であっても重症化リスクが高いと判断されれば94,000円の薬を無料で入手できることになる。最近は医療保険の不正受給とか、宿泊療養施設での飲酒など非常識な行為が話題になっている。一時期感染リスクの高い人へのアビガンの事前配布とか、イベルメクチンの個人輸入とかが話題になったこともあり、コロナ治療薬を常備したいというニーズは依然として高いと思われる。それに乗じて「ラブゲリオの横流し」とか「転売」なんていうことが横行しないことを祈るばかりである。
 話題は変わるが、昨年生まれた子供の数(出生数)は81万1604人で前年比2万9231人減、今年には出生数80万人割れも想定されているという。一年間の出生数についての頭の中のイメージは、自分と同世代の出生数で150~200万人くらいで、175万人×80年(about平均寿命)=1億4000万人と現在の日本の人口くらい、と思っていたので、ずいぶんかけ離れたものだと感じている。このままのトレンドが続けば2050年には年間出生数は50万人くらいになっていても不思議ではなく、想像以上の加速度で人口減少が進むことになる。1億人切れどころか5000万人の維持も難しい時代がやってくるのかもしれない。少子高齢化が言われだして久しいが、現実にこういう数字を見せられると改めて考えさせられる。

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執筆者について

村田 兼一

経歴 村田兼一コンサルティング株式会社代表取締役。
1978年藤沢薬品工業(現アステラス製薬)入社。注射剤製造、無菌バリデーション技術開発、FDA対応、基幹システム(SAP)開発等に従事後、生産本部にて中期戦略企画、工場分社化推進・合併準備委員会に携わる。合併後のアステラス製薬では、戦略企画の後、製造委受託の推進を担当する。
2012年に退社し、村田兼一コンサルティング株式会社設立。工場の原価をはじめとする計数マネジメントを中心に、SAP開発を含むサプライチェーン全般の管理・改善を専門とする。
※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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