医薬品設備建設における「オーナーのプロジェクトマネジメント2nd改訂版」【第16回】

2022/07/29 施設・設備・エンジニアリング

星野 隆

クオリフィケーションについて。

(9)    クオリフィケーション
①    クオリフィケーション全般
 医薬品製造においてはバリデーションが必要であるが、バリデーションの中でも医薬品製造設備の建設段階(または改造後)における検証をクオリフィケーションQualificationといい、DQ、IQ、OQ、PQといったクオリフィケーションが必要となる(IQとOQをまとめてIOQとしている製薬企業もある)。プロジェクトにおいて、クオリフィケーションのアプローチは以下が考えられる。どのアプローチを採用するかは、プロジェクトの規模や種類、プロジェクトメンバーの理解度などによるであろう。

  • クオリフィケーションを単独で行う旧来のアプローチ
  • コミッショニングの内、クオリフィケーションと同じ部分については、コミッショニングと重複しないようにコミッショニングの結果を引用してクオリフィケーションとする、科学およびリスクに基づくアプローチ(ISPE Baseline Guide Vol.5 2nd Edition「コミッショニングおよびクオリフィケーション」)

いずれのアプローチを採用しても、クオリフィケーションそのものの基本は同じであることから、基本的事項について記載する。
 

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執筆者について

星野 隆

経歴 1971年3月大阪大学工学部機械学科卒業後、同年4月武田薬品工業(株)に入社。2014年3月の同社退社までの間、同社および同社の関連会社における建設工事において、プロジェクト業務に携わった。プロジェクトの種類としては、医薬品、ビタミンバルク、調味料バルク、化学品、農薬等の生産施設をはじめ、研究所の建設にも携わった。また、国内外のプロジェクトや、他社との共同プロジェクトにも参画した。また、メンテナンスやユーティリティ部門のマネジャーの経験もあり、総合的なエンジニアである。
社外の活動としては、ISPE(国際製薬技術協会 : International Society for Pharmaceutical Engineering)の日本本部理事、常任理事を歴任。日本プロジェクトマネジメント協会理事。
現在は、個人コンサルタントStar Enterprise(プロジェクトマネジメント、エンジニアリング、イベント企画)。
※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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