ラボにおけるERESとCSV【第25回】

2017/01/12 施設・設備・エンジニアリング

望月 清

第8章 紙ベースシステムにおけるデータインテグリティ留意点
 
表5 第8章 紙ベースシステムにおけるデータインテグリティ留意点 目次

  8.1        品質マネジメントシステム(QMS)の構成とブランク書式の管理
  8.2        記録の管理がなぜ重要なのか?
  8.3        テンプレートの生成、配布、管理
  8.4        記録の生成、配布、管理における期待
  8.5        製造エリアにおける記録の使用と管理
  8.6        記録の記入
  8.7        記録の訂正
  8.8        記録の検証(2次チェック)
  8.9        記録の維持管理
  8.10       電子システムからの直接プリントアウト
  8.11       真性コピー
  8.12       サマリレポートをリモートレビューする限界
  8.13       文書の保管
  8.14       オリジナル記録の廃棄
 

■解説

紙ベースシステムは手書き記録の場合と、システムからのプリントの場合に分類される。8.1~8.8は手書き記録の場合における留意点であり、8.10~8.12はプリントアウトの場合における留意点である。


▷ 品質マネジメントシステム(QMS)の構成とブランク書式の管理 (8.1)
・紙ベースシステムの効率的管理はGMP/GDPの主要な要素である。
・従って、GMP/GDP要件を満たし、文書と記録がインテグリティを保つように効果的に管理するように文書化システムを設計すること。
・データライフサイクルにわたり、紙記録の帰属性、見読性、非消去性/永続性、同時記録性、原本性、正確性(ALCOA)を維持すること。
・文書化実践規範の概略手順や文書管理の取り決めはQMSに規定しておくこと。これらの手順において以下を規定する。
◇ マスタードキュメントや手順書の作成、レビュー、承認方法
◇ データ記録に使用するテンプレートの生成、配布、管理
◇ 記録の保管と災害復旧の手順
◇ 日常使用する作業用文書コピーを作成する手順において、確実な文書コピーを強調する。例えば、SOPやブランクの用紙は、管理された追跡可能な方法で発行し帳尻を合わせる。
◇ 紙ベースシステム文書を完成させる以下のガイダンス
 ✓個々のオペレータの特定方法
 ✓文書へのデータ記入書式や訂正の方法
◇ 完成した文書の正確性、信憑性、完璧性を日常的にレビューする方法
◇ 記録のファイリング、取り出し、維持、保管、廃棄の工程
◇ データライフサイクルを通しデータインテグリティを維持する方法

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執筆者について

望月 清

経歴 合同会社エクスプロ・アソシエイツ代表。
1973年山武ハネウエル株式会社(現アズビル)入社。分散型制御システム(DCS)を米国ハネウエル社と分担開発。2002年よりPart 11およびコンピュータ化システムバリデーションのコンサルテーションを大手製薬会社にご提供。2009年より微生物迅速測定装置の啓蒙普及に従事。2014年5月より現職。
※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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