経歴 布目技術士事務所 技術士 衛生工学部門:水質管理 1972年栗田工業(株)入社、1992年野村マイクロ・サイエンス(株)入社。2011年布目技術士事務所(製薬用水コンサルタント)開設。製薬用水のスペシャリスト。
2017/12/09 AD 施設・設備・エンジニアリング
WFI製造プロせすへの思い【第19回】
はじめに WFIの原料水となる精製水に内在する問題点を整理します。WFIを汚染させるリスク要因は、前工程から侵入するという考えに基づきます。 日本では多くのWFI製造現場で、精製水としての水質項目を確認した後、これを原料としてWFIを造ってきました。イオン交換塔やROなど精製水をつくる装置とWFIの
2017/11/02 AD 施設・設備・エンジニアリング
WFI製造プロせすへの思い【第18回】
インドガンジス川の水は、紀元前からこの地に住みついた人の水源であり、今も流域に住む人達の生活と切っても切れない存在です。水は人の命の源です。 Water treatment という言葉があります。河川水など自然に存在する水を処理することです。 水を処理する目的は2つあって、1つ目は使った水を自然水
2017/10/06 AD 施設・設備・エンジニアリング
WFI製造プロせすへの思い【第17回】
WFIへの思いを1年にわたり綴ってきました。いよいよ最終章です。 最終章では、自主的な活動として安全なWFIをつくる姿勢を考えたいと思います。目指すべきは、お仕着せではなく、現場であれやこれや「プロせす」を考え抜いた先に見えてくる「WFIの本質」を求める姿勢です。まずは現状認識から入ります。
2017/09/08 AD 施設・設備・エンジニアリング
WFI製造プロせすへの思い【第16回】
WFIの仕事を始めた頃に抱いた疑問、経験を積んでもなかなか「がってん」できなかった事柄を思い起こしながら綴ってきました。ここではWFIの本質を探り、未来のWFIを考えるベースとしましょう。 1.汚染がない概念 人の体内へ直に注入される、稀有な用途であるWFIは、不純物が含まれないことが求められます
2017/08/18 AD 施設・設備・エンジニアリング
WFI製造プロせすへの思い【第15回】
これまでになかった、あるいは公に認められなかった制度を新たに認めるとき、既存制度と「同等かそれ以上」、どのような分野でもよく聞くことです。 新しい制度によって、従来制度では起こらない筈だったトラブルが起こっては、「責任が問われ兼ねない」と考えるからでしょう。公の機関が新しい制度を認める際は、この表
2017/07/24 AD 施設・設備・エンジニアリング
WFI製造プロせすへの思い【第14回】
WFIタンクは水位がHレベルに達すると供給が止まり、Mレベルに低下すると供給が始まります。蒸留器から供給されるWFIは、その都度継ぎ足されるのが、現在は一般的になっていますが、WFIは、一日単位でバッチ管理されていた時代がありました。 医薬品品質を管理する手法として、1バッチ単位毎に品質検査を行っ
2017/06/05 AD 施設・設備・エンジニアリング
WFI製造プロせすへの思い【第13回】
1.RO主体の改正 2017年4月より改訂された欧州薬局方(Ph.Eur.) “Revised draft monograph: Water for Injections (0169) ”によると、“Reverse osmosis in Ph. Eur. mono
2017/05/15 AD 施設・設備・エンジニアリング
WFI製造プロせすへの思い【第12回】
日本薬局方に収載される膜分離によるWFI製造法に「分画分子量6000以上のUF又はRO」と書かれていることに対する外国からの誤解、今回はFDAからの誤解について触れます。 日本の製薬会社で発熱性物質(Pyrogen)を膜分離する一連の試みが発端となり、第十一改正日本薬局方第一追補(1988年)とし
2017/04/21 AD 施設・設備・エンジニアリング
WFI製造プロせすへの思い【第11回】
製薬用水の仕事を始めて直ぐに蒸留器に興味を持ちました。それまでの化学工学の知識から、蒸留器を精留塔などに代表される濃縮器として理解していました。 製薬用水で注射用水(WFI)を製造する機械として蒸留器が使われることを知り、さっそく当時の薬局方を調べますと、「注射用蒸留水」という名称がありました。
2017/03/17 AD 施設・設備・エンジニアリング
WFI製造プロせすへの思い【第10回】
1. UF使用目的 UFによるPyrogen フリー水を製造する目的は2つありました。 1つ目は、注射剤調整タンク洗浄水として無菌でありPyrogenを含有しない水が求められる用途であります。この製薬用水は、JPの上では「滅菌精製水」と位置付けられますが、一般にPyrogenフリー水と呼ばれました。