エッセイ:エイジング話【2026年10月】

水の管理二面性(2)

 水を使わない医薬品製造所は皆無です。古くから丸薬(がんやく)や漢方薬(かんぽうやく)の原材料である生薬(しょうやく)洗浄用に井戸水を使いました。ところが、ある時に取引先から指摘があり、敷地内に在る私的な井戸からではなく公的管理をされた水を使うよう要望が有りました。
 これを受け、この医薬品製造所から井戸水を使い続ける時の相談を受けました。当方からは、生薬を洗う水が日本薬局方に収載する常水純度試験をクリアするレポートを提示し、その旨を説明するなら、私的な井戸からの水を使い続けることも出来ると返事しました。最終的には、生薬を洗う水を水道水へチェンジする決定がされました。いちいち、水質検査するのは面倒だとの見識でした。相談当時の常水純度試験18項目を示します。

第十四改正日本薬局方常水純度試験18項目

 塗薬(ぬりぐすり)など外用薬製造あるいは内服固形剤(ないふくこけいざい)製造用水には、薬局方に性状貯留法を詳細に収載する精製水(せいせいすい)を使います。
 点眼剤(てんがんざい)製造用水には、やはり、薬局方にその性状貯留法などを収載する滅菌精製水(めっきんせいせいすい)あるいは注射用水(ちゅうしゃようすい)を使います。注射剤製造用水には、注射用水(ちゅうしゃようすい)を使います。
 これら水の選択は、医薬品製造所での許可要件(きょかようけん)の1つと認識してください。特に、点眼剤用水と注射用水に対する水管理は、厳密な対応となる無菌性担保が求められます。またこの2つの製薬用水は、医薬品原料管理の範疇で在ることへ異議を唱える人は在りません。よって、点眼剤注射剤製造所は、製剤現場から遡り原材料受入れ時点からが水も管理域です。
 装置の稼働状況と併せ、水を受入れる状況を日常的に把握する。ここは、医薬品製造所内リスク管理上の大きなポイントです。なぜなら、水から起こるトラブルは前段から入り込みます。ここは公的な管理任せにせず、自らチェックするのが鉄則です。

 

 

執筆者について

経歴 ※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

連載記事

コメント

コメント

投稿者名必須

投稿者名を入力してください

コメント必須

コメントを入力してください

セミナー

eラーニング

書籍

CM Plusサービス一覧

※CM Plusホームページにリンクされます

関連サイト

※関連サイトにリンクされます