最新コスメ科学 解体新書【第24回】
手術ロボットと触覚② テクノロジーの社会展開
触覚研究を本格的に始めた二十年ほど前、指導頂いていた慶應義塾大学の前野隆司先生から、「野々村さんも触覚部会に入ったら?」とお声がけいただきました。その頃、「触覚学会」のような学会はないのですが、その代わりに、ロボットやバーチャルリアリティの分野で触覚に関する研究に取り組んでいる研究者たちは、計測自動制御学会という学会の中に触覚に関する研究会をつくって、一緒に研究会を開いたり本を出版したりしていて、活発に活動をしていたのです [1]。
そんなことで、わたしも部会のメンバーに加えて頂き、東京の芝浦工業大学で行われた学会に参加することになりました。
この学会、わたしには、衝撃的に面白かったのです!
それまでに活動してきた化学系の学会は、会場でオーラルやポスター発表が行われ、それについてディスカッションをするオーソドックスなスタイルがほとんどで、みんなスーツで参加するような雰囲気でした。ところが触覚部会では、デモンストレーションの部門があり、みんなで自分たちが作ったデバイスを持ち寄って、その場でわいわいと体験をしながらあーでもない、こうでもない、と討論をしていたのでした。わたしよりも圧倒的に若い研究者が、リラックスしながらも高いテンションで、出来立てほやほやの作品について語る様子を見ていると、まさにそこに最先端があることが実感されて、ワクワクしたのです。
その頃、多くの研究者が取り組んでいたのが、ヒトが感じる触覚を定量的に解析するセンシングシステムや、バーチャルな空間で感覚を呈示する触覚ディスプレイに関する研究でした。わたしも、力が加わって変形すると電気抵抗が変化する「ひずみゲージ」というセンサーを使って触覚センシングシステムを自作し、水で濡れたガラス板とか、なめらかな布・皮の触感を解析する研究に学生たちと取り組んでいたのです [2,3]。
ところが、その会場には、わたしにはちょっと思いつかないようなシステムがところせましと並んでいたのです。
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