ようやく改訂されたGMPガイドのアネックス1:「無菌医薬品の製造」

EU GMP Guide Annex 1:「無菌医薬品の製造」は、1971年に初めて発表され、その後、クリーンルームのクラス分類表に培地シミュレーションと生物学的ストレスモニタリングに関するガイドラインを含める等、何回も更新されたが、欧州委員会は、無菌医薬品の製造に関する最新の規制と技術発展をカバーするために、Annex 1を大幅に改訂することを決定した。2012年のことである。
この改訂のためのタスクフォースの立上げから5年後の2017年の末、パブリック・コメント用に最初のドラフトが発表された。このドラフトには、ユーティリティや製造の技術のようなトピックス、無菌プロセス・シミュレーションの要件に関する詳細なセクション等、新しい内容が含まれていた。この改訂に関する関係者の関心は非常に高く、6000件を超えるコメントが寄せられたと言われている。それらのコメントを反映させて、極めて異例なことではあるが、2020年2月20日、ドラフトの第二版が発表された。以来、2年半を経て、2022年8月25日、ようやく最終版が公開された。
この新しいアネックス1は、第8章の凍結乾燥機に関する一部の項目を除いて1年後の 2023年8月25日に発効することになっているが、時を同じくして、PIC/Sも、実質的に内容が同一のアネックス1「無菌医薬品の製造」 の改訂版を採択し、2022年9月9日に公表した。
2020年の第2ドラフト版と比較し、章立ては以下の通りで変わっていないが、
①適用範囲、②原則、③医薬品品質システム、④施設、⑤設備、⑥ユーティリティ、⑦職員、⑧製造と特有技術、⑨環境モニタリングとプロセス・モニタリング、⑩品質管理、⑪用語。
内容はより包括的になり、
●ページ数が52頁から58頁に増えた。
●「①適用範囲」は、「無菌医薬品」から「無菌製品」に代わり、対象範囲が拡大された。
●「⑤施設」の章の「バリア技術」は、ほぼ2倍になり、周囲の環境、グローブボックス、除染方法に関する
  トピックスは、アイソレーターと RABS について別々に扱われている。
●「⑨のタイトル」から「生物的・非生物的」という表現が削除された。
●「⑧製造と特有技術」の章は、「フォーム・フィル・シール」と「ブロー・フィル・シール」に関する記述は
  ほぼ3倍になり、より詳細になった。

詳細は、以下のURLを参照してください。
EudraLex- Volume 4 - Good Manufacturing Practice (GMP) guidelines Manufacture of Sterile Medicinal Products

CMプラスによる全訳も進行中ですが、もう少しお待ちくださいますようお願いいたします。

 

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