基礎からのGVP【第13回】

2022/02/18 その他

措置の対応について。

措置の対応I

安全管理情報を収集し、評価した結果を医療の現場に提供し、その情報を医療に活用することが安全確保業務である。そのためには、必要な情報を医療関係者に適宜、適切に提供・伝達する必要がある。
GVPで求める措置として、製品に関わる安全性情報を医療の現場で活用するために、新たに集積された情報を医療関係者に企業、業界団体、そして行政が協働して速やかに提供する体制が情報の重要性に応じて定められている。

1. 企業による情報伝達・提供
 -緊急安全性情報から自主改訂に基づく情報提供-
GVP省令の規定に基づき情報の重要性に鑑み、企業はあらかじめ伝達等の手段につき手順書にて定めている。多くの場合、安全性に関する情報で極めて緊急かつ重要な場合には、緊急安全性情報として迅速に、緊急安全性情報ほどではないが、迅速性を要求される安全性情報は安全性速報として、それ以外の情報は「使用上の注意改訂のお知らせ」等のお知らせ文書として提供・伝達するなど、緊急性、重要性に応じ何段階かに区分してその手順をきめ細かく定めている。
(1)緊急安全性情報の配布
安全性に関する情報で極めて緊急かつ重要な場合には、緊急安全性情報(いわゆるドクターレター又はイエローレター)として国民(患者)、医薬関係者に対して迅速に伝達する必要があり、その対応についてはガイドラインが示されている。
1) 緊急安全性情報となる基準
薬事・食品衛生審議会における検討を踏まえ、特に緊急な措置を講じる必要があると判断された場合に、厚生労働省から出される指示書に基づき製造販売業者が作成し、配布する。(2011年7月15日、薬食安0715第1号)
判断基準
 i) 警告欄の新設等
 ii) 使用上の注意の改訂
  医薬品等による副作用であると疑われる死亡、障害、若しくは
  これらにつながるおそれのある症例又は治癒の困難な症例の
  発生に対応した緊急かつ重要な改訂
 ・禁忌事項若しくは禁忌・禁止事項の新設又は追加
 ・新たな安全対策の実施(検査の実施等)を伴う使用上の注意の改訂
 iii) 安全性に関連した事由による効能効果、用法用量、使用方法の変更
 iv) 安全性に関連した事由による回収を伴った行政措置
  (販売中止・停止、承認取消し) 
 v) その他、当該副作用の発現防止、早期発見等のための具体的な対策
2) 配布資料の様式
ガイドラインにて、色は黄色系で赤色の縁取りを施し、A4サイズと定められている。また、医薬関係者向けのみならず、原則として国民(患者)向け情報も、あわせて作成する。

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執筆者について

草間 承吉

経歴 医薬品、医療機器、医薬部外品等の開発から製造販売後までの安全確保業務を黎明期から30年以上にわたり幅広く経験・管理・監督してきた。この間、業界活動においては製薬協PMS部会や東薬工医薬品安全性研究会、日薬連安全性委員会等でDSUやPMS担当者研修講座の設立等にも関与した。これらの経験を生かし15年前にPMSフォーラムを設立し、製薬企業等からの業務相談に対応しながら、指導・教育に努めている。 ※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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コメント

浅田 英文 / 2022/02/22

「緊急安全性情報等の提供に関する指針について」は、2011年7月15日付け 薬食安0715第1号を引用しておられますが、大筋では大きな変更は無いものの、その後二回の改訂通知が出ており、最新は令和2年5月15日付け 薬生安発 0515 第1号ですね。

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