ICH Q7(原薬GMP)の最新の規制動向-Q11、EMA Q&Aを踏まえて-【第4回】
■これまでの掲載内容
1 ICH Q7A原薬GMPガイドライン発出の経緯とその後の規制動向について
1.1 経緯
1.2 ガイドラインの位置付けと日本への適用
2 最新の規制動向と今後の動き
2.1 2000年代の規制の変遷
2.2 EMA ICH Q7 Q&Aの発出
(Q&A:Q7 1.1(序文)~2.2(品質マネージメント)):第2回掲載
(Q&A:Q7 2.3(品質マネージメント)~4.2(構造及び設備):第3回掲載
■今回(第4回)の掲載内容
2 最新の規制動向と今後の動き
2.2 EMA ICH Q7 Q&Aの発出(Q&A:Q7 5章(工程装置)~7章7.2(原材料管理))
Q&A
5. Process Equipment – Cleaning (第5章 工程装置–清掃)
#ICH Q7 5.1
Question:
専用装置では、清掃効果の確認に「目視による清浄確認」(即ち、特定の分析定量を求めないこと)は許容されるか?
Answer:
目視検査の検出能や清掃評価から得られた十分な補足データ(例えば、清掃効果を示す分析定量結果)に基づき、専用装置に対して「目視による清浄確認」が許容されることはある[ICH Q7, 12.76]。原薬の品質を低下させないよう、汚染物質(例えば、分解物、一定レベルの微生物)の生成及びキャリーオーバーを防止するため、当該装置を適切な間隔(例えば、時間やロット数を単位に)で清掃すること[ICH Q7, 5.23及び12.7]。
<見解と留意点>
FDAのCleaning Validationに関わる査察ガイド(1993年)の中で、清掃効果の確認に「目視による清浄確認」が認められている。以下の通り、FDAガイドに記載される、Organoleptic levelの和訳は、視覚による感応性評価といえる。
(原文)It is important to define the sensitivity of the analytical methods in order to set reasonable limits. Some limits that have been mentioned by industry representatives in the literature or in presentations include analytical detection level such as
・10 ppm (Analytical detection level)
・1/ 1000 (Biological activity level of the normal therapeutic dose)
・No visible residue (Organoleptic level)
なお、PIC/Sの勧告(PI 006-3、7.11.3項)による基準においても、原則として、(a)0.1%投与量基準、(b)10ppm基準および、(c)目視判定基準のうち、最も厳しい値を使用するものとする((d)の「PICの勧告」を採用)とあり、目視確認が許容されている。
12.76には、「洗浄手順は、当該洗浄手順が通常の製造時に有効であることを保証するために、バリデーション後、適切な間隔でモニタリングを行うこと。装置の清浄性は、分析試験及び可能な場所では「目視検査」でモニタリングを行う場合がある。目視検査により、検体採取及び分析では検出できない、小さな部分に集中する大量の汚染の検出が可能な場合がある。」とある。
残留物を目視で確認できる限度を科学的評価法に基づき設定し、「目視による清浄確認」が許容される。
1 ICH Q7A原薬GMPガイドライン発出の経緯とその後の規制動向について
1.1 経緯
1.2 ガイドラインの位置付けと日本への適用
2 最新の規制動向と今後の動き
2.1 2000年代の規制の変遷
2.2 EMA ICH Q7 Q&Aの発出
(Q&A:Q7 1.1(序文)~2.2(品質マネージメント)):第2回掲載
(Q&A:Q7 2.3(品質マネージメント)~4.2(構造及び設備):第3回掲載
■今回(第4回)の掲載内容
2 最新の規制動向と今後の動き
2.2 EMA ICH Q7 Q&Aの発出(Q&A:Q7 5章(工程装置)~7章7.2(原材料管理))
Q&A
5. Process Equipment – Cleaning (第5章 工程装置–清掃)
#ICH Q7 5.1
Question:
専用装置では、清掃効果の確認に「目視による清浄確認」(即ち、特定の分析定量を求めないこと)は許容されるか?
Answer:
目視検査の検出能や清掃評価から得られた十分な補足データ(例えば、清掃効果を示す分析定量結果)に基づき、専用装置に対して「目視による清浄確認」が許容されることはある[ICH Q7, 12.76]。原薬の品質を低下させないよう、汚染物質(例えば、分解物、一定レベルの微生物)の生成及びキャリーオーバーを防止するため、当該装置を適切な間隔(例えば、時間やロット数を単位に)で清掃すること[ICH Q7, 5.23及び12.7]。
<見解と留意点>
FDAのCleaning Validationに関わる査察ガイド(1993年)の中で、清掃効果の確認に「目視による清浄確認」が認められている。以下の通り、FDAガイドに記載される、Organoleptic levelの和訳は、視覚による感応性評価といえる。
(原文)It is important to define the sensitivity of the analytical methods in order to set reasonable limits. Some limits that have been mentioned by industry representatives in the literature or in presentations include analytical detection level such as
・10 ppm (Analytical detection level)
・1/ 1000 (Biological activity level of the normal therapeutic dose)
・No visible residue (Organoleptic level)
なお、PIC/Sの勧告(PI 006-3、7.11.3項)による基準においても、原則として、(a)0.1%投与量基準、(b)10ppm基準および、(c)目視判定基準のうち、最も厳しい値を使用するものとする((d)の「PICの勧告」を採用)とあり、目視確認が許容されている。
12.76には、「洗浄手順は、当該洗浄手順が通常の製造時に有効であることを保証するために、バリデーション後、適切な間隔でモニタリングを行うこと。装置の清浄性は、分析試験及び可能な場所では「目視検査」でモニタリングを行う場合がある。目視検査により、検体採取及び分析では検出できない、小さな部分に集中する大量の汚染の検出が可能な場合がある。」とある。
残留物を目視で確認できる限度を科学的評価法に基づき設定し、「目視による清浄確認」が許容される。
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