【第7回】電気/電気設備のなぁぜなぁぜ

第7回は引き続き國分が医薬品工場特有な考慮すべき電気設備として、クリーンルームの電気設備について解説します。

※弊社が設計に関わる部分では、建築設備としての電気設備が主であるため、生産設備より建築設備に寄った解説であることをご容赦ください。
 

医薬品製造の肝となるプロセスにて、原料、中間品、製品が周囲環境に暴露する部屋は、その種別、目的に応じたグレードで空調した環境となっています。

クリーン環境を適切に保つため、クリーンルームの建築構造は気密度を高くするため、空調の給排気以外の開口は望ましくありません。

よって電気設備の機器も機器自体の気密性が高いクリーンルーム対応機器を選定することが必要で、その室の要求清浄度に応じた器具とする必要があります。

<クリーンルーム仕様機器の特徴>
  • 各種材質にステンレスや、発塵しないよう防塵対策が取られたものが使用されている。
  • 破損時の混入をさけるため落下防止措置がされている。
  • 取り付け面にパッキンが取り付けられている。
  • 配線導入部に気密性の高いグロメット、パッキンが使用されている。
  • 清掃や消毒による劣化を防ぐ耐腐食コーティングが施されている。
  • ISO14644、IEC61010、GMP準拠仕様が謳われている。


実はクリーンルーム内のコンセントボックスのカバーや内部にも通常はパッキンが内装されていて、部屋外の空気とは遮断されている(完全ではありませんが。。。)ことはあまり知られていないかもしれません。

図1.高密度ルフトロック写真(出展:ネグロス電工 HP商品情報より)

気密性だけでなく、埃だまりをつくらないように、取り付け面(天井、壁、床)に対し極力垂直面の無い、段差のない、傾斜を持ったものを選ぶことも必要です。また、たとえ埃や汚れがついても凸凹の少ない、清掃性の良いものを選定すべきであります。
照明器具については、特に最近光源が電球ランプや蛍光灯からLEDへ新規導入はほぼ100%置き換わったことにより、ランプ、蛍光灯の交換がほぼ不要となり、天井埋込タイプで天井裏から上面アクセスによるランプ、蛍光管交換作業も無くなリ、部屋内へ露出した直付けタイプ(天井加工不要)で施工されることが増えてきています。

但し、クリーン環境に露出する器具のため、前述の埃だまり対応や清掃性を考慮することが必須で、蛍光灯置き換えタイプでもダウンライトタイプでも逆富士型の形状などを選ぶことがポイントに なります。

図2左:天井埋込型 、右:逆富士型 写真 (出展:三菱電機カタログより)

他にもクリーンな雰囲気に露出する主な機器としては上述の照明器具の他、スピーカ、自火報感知器、壁面のスイッチやコンセントなどがあります。

 

 

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