経歴
GMPコンサルタント 1984年神奈川県庁に入庁。1997年国立公衆衛生院(現在の国立保健医療科学院の前身)でGMP研修を受講後、薬務課及び小田原保健所等で医薬品等の製造販売業、製造業の許認可、審査、指導を主にGMP・GQPリーダー査察官として16年にわたり活躍。その間、MRA(日・欧州共同体相互承認協定)締結の際のEU調査、2005年製造販売承認制度の施行に携わり、PIC/S加盟にあたり、厚生労働省の委員等委嘱を受け、次の活動に参加した。 ・平成20、21年度 GMP/QMS調査・監視指導整合性検討会委員 ・平成21、22年度 厚生労働科学研究~GMP査察手法の国際整合性確保に関する研究 2012年に神奈川県庁を退職後、医薬品原薬輸入商社、製薬企業、コンサルティング企業で品質保証やGxPコンサルタント業務に携わる。2025年6月よりGMPコンサルタントとして独立、現在に至る。
2020/01/10 AD 品質システム
GMPヒューマンエラー防止のための文書管理【第28回】
1.脳の省エネ機能 脳は基本的にさぼるように機能されている。それは、脳が体重の2%しかないのに、脳が全エネルギーの20%以上消費するためで、飢餓に対応するために必要な機能であったといえる。この省エネ機能は、得意の分野を優先しようとする傾向がある。ある技能を習得し、定例的な作業を行う上でも働く。つまり
2019/12/06 AD 品質システム
GMPヒューマンエラー防止のための文書管理【第27回】
1.掘り起こし きれいなグランドを想像してほしい。しかし、雨や風が強い日の翌日には、小石などがでてきて、グランドの石拾いをしなくてはならない状況である。グランドの整備には、予算もなく経費をかけていないが、大きな事故もないので、大会運営者は、大会の前後で、役員による石拾いやトンボをかけるなどをし、整備
2019/11/01 AD 品質システム
GMPヒューマンエラー防止のための文書管理【第26回】
前回25回掲載【問題】このスライドで不適切な部分はどこか。その理由は何か。 <GMPの基本> 【正解】鉛筆 理由:①鉛筆で記載した文字は消すことができ、データインテグリティに反する。 ②作業現場に持ち込んだ場合、芯が折れて、異物となる可能性がある。 以上のことから、スライドは次のように変更した。 <
2019/10/04 AD 品質システム
GMPヒューマンエラー防止のための文書管理【第25回】
1.運用ができない手順 「手順書(SOP)がないと作業ができない。」との現場からの要望で、詳細な手順を記載することも多いことだろう。しかし、運用を開始すると、実際に手順書の記載どおりできないなどの文句が出ることもある。また、品質には影響しない「作業の逸脱」となることも多い。私の経験だが、文書管理規定
2019/09/06 AD 品質システム
GMPヒューマンエラー防止のための文書管理【第24回】
1.実効性の評価 GMPは、改善を阻むとの声を聞いたことがある。果たしてそうであろうか。 Kaizenとは:いわゆる「改善」のこと。カイゼンと表記すると、おもに製造業の生産現場で行われている作業の見直し活動のことを指します。作業効率の向上や安全性の確保などに関して、経営陣から指示されるのではなく、現
2019/08/02 AD 品質システム
GMPヒューマンエラー防止のための文書管理【第23回】
1.実効性の評価 教育訓練において、実効性評価が求められている。GMP事例集(2013年版)GMP19-4(教育訓練)に次のような記載がある。 「実効性の評価」とは、製造業者等として、教育訓練の内容が的確に実務に反映されていることを、例えば模擬製造等により評価することをいう。 実効性評価とは、PDC
2019/07/05 AD 品質システム
GMPヒューマンエラー防止のための文書管理【第22回】
1.文書の保管 文書として、紙ベース、電子媒体、写真媒体を含む様々な形態で存在することは、PIC/S GMPガイドライン等で示されている。紙ベースの記録も電子媒体の記録も同様にデータインテグリティを確保しなければならない。電子媒体の記録の場合、そのデータが紛失する対策として、バックアップ等の管理が必
2019/06/07 AD 品質システム
GMPヒューマンエラー防止のための文書管理【第21回】
1.供給者管理 監査と査察を混同して使われる方も多い。査察は、いわゆる当局と呼ばれる審査機関や許可権者が行う調査で、GMP調査だけでなく、国税局査察部のことをマルサということをご存知の方も多いと思う。監査と査察の大きな違いは、その目的が違うことである。査察は、基本的に承認や許可のために確認する行為で
2019/05/10 AD 品質システム
GMPヒューマンエラー防止のための文書管理【第20回】
1.経営陣の責任 改正GMP省令やGDPガイドライン等において、経営陣の責任が明記されている。品質方針やマネジメントレビューを行うだけが経営陣の責任ではない。多くの製薬企業で「患者さんのために、GMPを遵守し、高品質の医薬品を提供する」のような品質方針を掲げられている。GMPが求める品質は、恒常的に
2019/04/05 AD 品質システム
GMPヒューマンエラー防止のための文書管理【第19回】
1.爆弾処理係 私がまだ、県職員で、県庁を早期退職について考えたころ、ある製薬企業のサイトQA長の採用面談の際、「サイトQAは、主にイベント対応だけど、公務員だと、実際の逸脱や変更処理を行っていたわけではないので、対応は難しいのではないか。」と問われた。今まで、逸脱処理や編管理の処理についても、指導