経歴
GMPコンサルタント 1984年神奈川県庁に入庁。1997年国立公衆衛生院(現在の国立保健医療科学院の前身)でGMP研修を受講後、薬務課及び小田原保健所等で医薬品等の製造販売業、製造業の許認可、審査、指導を主にGMP・GQPリーダー査察官として16年にわたり活躍。その間、MRA(日・欧州共同体相互承認協定)締結の際のEU調査、2005年製造販売承認制度の施行に携わり、PIC/S加盟にあたり、厚生労働省の委員等委嘱を受け、次の活動に参加した。 ・平成20、21年度 GMP/QMS調査・監視指導整合性検討会委員 ・平成21、22年度 厚生労働科学研究~GMP査察手法の国際整合性確保に関する研究 2012年に神奈川県庁を退職後、医薬品原薬輸入商社、製薬企業、コンサルティング企業で品質保証やGxPコンサルタント業務に携わる。2025年6月よりGMPコンサルタントとして独立、現在に至る。
2021/08/06 AD 品質システム
情報の取り扱いは、inputとoutputをいかに行うかで、適切な処理ができるかどうかが決まる。
GMPヒューマンエラー防止のための文書管理【第47回】
"CAPA 1.人の振り見て我が振り直せ 「人の振り見て我が振り直せとは、他人の行動を見て、良いところは見習い悪いところは改めよということ。」1)人はなかなか他人の行動を見て、自分の行動を見直すことができない。CAPAの予防措置において、情報の共有化が重要である。ヒューマンエラーは、同一の者が繰り返
2021/07/02 AD 品質システム
普段と異なる状況の中での対応、その管理・対策をどのように求めるのか。
GMPヒューマンエラー防止のための文書管理【第46回】
新型コロナウイルスから学ぶ 1.緊急時対応 コロナウイルスワクチンの接種が進む中、温度管理が不適切で廃棄になるニュースをたびたび耳にする。電源プラグが抜けていたや届いたワクチンを常温で放置したなどファイザー社製新型ウィルスワクチンは温度管理が厳しいことは周知のものであったのに、どうしてこんなに発生す
2021/06/04 AD 品質システム
GMPヒューマンエラー防止のための文書管理【第45回】
1.几帳面 彼は、几帳面で、仕事が丁寧だから、こんなミスをするはずがない。几帳面とは、「細かいところまで、物事をきちんと行うさま。決まりや約束にかなうように正確に処理するさま。」1)とある。作業を手順書通りに行い、間違いなく正確に作業を行うことができる性格を几帳面と呼ぶ。あえて、問題をあげれば、丁寧
2021/05/07 AD 品質システム
GMPヒューマンエラー防止のための文書管理【第44回】
1.安心・安全 コロナ禍の中、ワクチンの効果や副反応について、マスコミ等で取り上げられることが多い。ワクチンだけでなく、薬は、信頼されてこそ、その効果の発現と副作用、副反応の抑制がある。精神論で、薬の有効性と安全性を解決できるわけではないが、実際、プラセボ効果はある。本来、薬理的作用がないはずだが、
2021/04/02 AD 品質システム
GMPヒューマンエラー防止のための文書管理【第43回】
1.故障は逸脱ではない 兵庫県庁で受水槽の排水弁閉め忘れ事件が起きた。1ヵ月の水漏れで600万円の損害である。GMPであったら、この事例を逸脱とすべきであろうか。製造管理や品質管理上、手順に齟齬等があるならば、逸脱とすべきかもしれない。機器等の故障を逸脱しているケースを時々、査察等で見受けた。この
2021/03/05 AD 品質システム
GMPヒューマンエラー防止のための文書管理【第42回】
1.医薬品品質システム維持 小林化工や化血研の事件にて、品質システムが適正に稼働していなかったことが取り上げられている。GMP省令改正1)において、QA業務を担う部署が求められている。ICH Q102)として、医薬品品質システムの構築は、すでに求められていた。しかし、品質や安全性は、目に見えるもの
2021/02/05 AD 品質システム
GMPヒューマンエラー防止のための文書管理【第41回】
▼執筆者関連セミナー GMPヒューマンエラー防止のための文書管理 1.期待される結果 バリデーション基準1)にバリデーションの目的が記載されている。 バリデーションは、製造所の構造設備並びに手順、工程その他の製造管理及び品質管理の方法(以下この基準において「製造手順等」という。)が期待される結果
2021/01/08 AD 品質システム
GMPヒューマンエラー防止のための文書管理【第40回】
1.何故、取り違えは起こったか 小林化工の「イトラコナゾール錠50『MEEK』」に「リルマザホン塩酸塩水和物」が混入し、回収に至った。この事例は、作業者だけでなく、いくつものヒューマンエラーが重なり発生した。この事例を解析しよう。読売新聞1)によると、 製造の過程で目減りした薬の成分を補充しており、
2020/12/04 AD 品質システム
GMPヒューマンエラー防止のための文書管理【第39回】
1.リスク GMPは、ハードとソフトのバランスとよく言われる。ハードとは設備のことであり、ソフトとは、手順であり、ルールのことである。その設備に見合ったルールが必要となる。設備が最新のものをそろえても、その運用ルールが適切でなければ、医薬品の品質を維持することができない。最新の設備なら、その作業も自