経歴
大阪大学 大学院工学研究科 講師。 1997年群馬大学大学院工学研究科博士後期課程を中退。国立循環器病センター研究所生体工学部にて生体適合性材料の研究を行った後、株式会社東海メディカルプロダクツにて循環器用カテーテルの開発および製造に関わる。2004年より株式会社セルシードにて再生医療に係る開発および品質保証を担当し、臨床用細胞加工物の工程設計や細胞培養加工施設の設計と運用を実施。東京女子医科大学での細胞シート製造装置開発を経て、2014年より現職。細胞製造システムの開発に従事。工学研究科の細胞製造コトづくり拠点において、細胞製造コトづくり講座(社会人教育)および標準化・規制対応に関わる共同研究を担当。
2021/10/08 AD 再生医療
今回も引き続き、工程設計について雑感を述べる。
再生医療等製品の品質保証についての雑感【第30回】
QbDを意識した工程設計の考え方 (2) ~ 上流工程その1 はじめに 今回も引き続き、工程設計について雑感を述べます。上流工程は、原料となる細胞が基本的に有する能力より、増幅プロセスと分化誘導プロセスに分類できます。増幅プロセスは従来の製薬でも活用される培養技術ですが、必ずしも同様に実施できるとは
2021/09/10 AD 再生医療
商業生産(治験後)を見据えた工程設計の進め方(治験前の工程設計)について雑感を述べる。
再生医療等製品の品質保証についての雑感【第29回】
QbDを意識した工程設計の考え方 (1) ~ 細胞製造に要求される治験前の工程設計 はじめに 細胞加工製品の工程設計の考え方については、本連載の開始から継続的にお話しを行ってきました。一方で、これらのお話しでは細胞製造に関わるいくつかの制限を提示していますが、製造の管理者にとってみれば、製造できる手
2021/08/13 AD 再生医療
細胞加工製品設計でのQbDの実施が困難であり、今回はその辺りについて、よりわかりやすく解説できればと考えている。
再生医療等製品の品質保証についての雑感【第28回】
再生医療等製品におけるQbDの活用 (3) ~ CQA(重要品質特性)について はじめに 本テーマの2回目(第25回)では、細胞加工製品のCQAが治験時の重要原材料特性(CMA)と重要工程パラメータ(CPP)に紐づけられる概念と、全工程を通した複合的な相関により、工程内管理を目的としたPAT(工程解
2021/07/09 AD 再生医療
キット化の実現に向けて生じる課題の再整理と、解決に向けた方向性について。
再生医療等製品の品質保証についての雑感【第27回】
工程設計に必要な追加工程の設計(3) ~ 原料等あるいは工程資材をキット化できる可能性 はじめに 細胞加工製品の製造工程で導入を行う原料等あるいは工程資材のキット化については、以前(第8回)に原料等・工程資材の管理の考え方として触れました。総論として、生産管理の効率化においては非常に有用な方法であり
2021/06/11 AD 再生医療
再生医療等製品の品質保証についての雑感【第26回】
はじめに 細胞加工製品は、管理温度が-150℃未満(超低温帯)の凍結状態であれば長期にわたり品質維持が可能で、ロットを構成する大量生産と、それに伴う製品の流通(移管を伴う物流)が期待されます。一方で、細胞加工製品の物流における超低温帯維持条件は非常に厳しく、使用時(移植時)において製品が適切な有効性
2021/05/14 AD 再生医療
再生医療等製品の品質保証についての雑感【第25回】
【著者セミナー】 同種由来の細胞加工製品における品質設計と外工程に関わるポイント ~生物由来原料の調達からコールドチェーンまで~ ※Web受講のみ ●日時:2021年6月10日(木) 10:30-16:30 はじめに 本稿では、引き続きQuality by Design(QbD)についてお話しをしま
2021/04/09 AD 再生医療
再生医療等製品の品質保証についての雑感【第24回】
→再生医療等製品のQbDに関するセミナーはこちら はじめに Quality by Design(QbD)とは、設計による品質の作り込みを意図した開発経緯の概念で、日欧米医薬品規制調和国際会議(ICH)の品質ガイドラインQ8(R2)に基づいています。その手法は、製剤開発をされている方には常
2021/03/12 AD 再生医療
再生医療等製品の品質保証についての雑感【第23回】
はじめに ヒト細胞加工製品の安定供給においては、より均一な品質の細胞原料を恒常的に獲得できることが重要です。製品開発において先行した自己由来細胞加工製品は、患者自身から採取した組織を用いるため、現状では細胞原料のストック(細胞・組織バンク)の考慮は必要ありません。また、最終製品の品質も細胞原料の個体
2021/02/12 AD 再生医療
再生医療等製品の品質保証についての雑感【第22回】
執筆者関連セミナー 再生医療等製品の品質確保と工程バリデーション・ベリフィケーションのポイント ~GCTP/細胞製品の特質を踏まえた品質保証のあり方とは~ はじめに 前回までで、再生医療等製品製造のための運用とプロセスシミュレーションテストまで一回りをお話ししましたので、本稿からしばらくは、無
2021/01/15 AD 再生医療
再生医療等製品の品質保証についての雑感【第21回】
はじめに 本稿では、再生医療等製品製造の無菌操作環境を適切に維持し、製品の無菌性を保証できることをする適格性評価である、プロセスシミュレーションテスト(PST)について雑感を述べさせていただきます。培養の工程で用いる培地は微生物も増殖可能であり、混入による影響も直接的に確認可能であると考える細胞培養