基礎からのGPSP【第14回】

 

~使用成績調査の実施⑤~


7. データマネージメント
調査・試験等の進捗状況及び結果を取りまとめるに際し、必要に応じ外部の業者等 (CRO) に業務を委託する場合が多い。特に調査結果のデータベース化における入力業務や、安全性定期報告時の中間、調査終了後の最終の集計・解析は、ほとんどの企業で、CROに委託して行っている。
これらの委託業務は、管理部門としてGPSP遵守した進捗管理のもと、データの信頼性が確保された結果でなければならない。
(なお、最近はEDCによる調査も活用されているが、その場合のデータマネージメントについては、別途、CSVについて解説する際に合わせて行いたい。)
 
7.1 委託範囲・方法
調査・試験等のデータ処理において外部業者(以下、この章において「CRO」という。)に委託する範囲は、
 ● 登録業務
 ● 進捗管理業務
 ● 調査票チェック及び再調査項目抽出
 ● 再調査依頼及び再調査結果確認
の、症例登録から調査票回収及び最終固定までの段階と、
 ● データ入力
 ● データ確認・固定
 ● 解析用データ抽出
 ● 集計・解析
の、図に示すようにデータベース化及び検定を含めた統計解析処理に至る段階と、多岐にわたっている。
 

また、これらの業務をどのように委託するかにより、委託側としてどのように管理していくかが決まっていく。個々の事例については省略するが、最終的な結果の責任はいずれの業務においても、委託者が負わなければならないので、委託する際に、
 ● 業務委受託契約書
  ▷ 業務仕様書
  ▷ 再調査基準
  ▷ 入力基準
  ▷ 各種コーディング表
  ▷ 解析対象選択基準
  ▷ 解析予定書(計画書)
 ● 品質保証方法
などにつき、十分留意し、特にGPSP遵守による業務委託の場合には、委託に際する事前の確認手順に則り、CROの選択等を行うことが必須である。

7.2 データベース確認方法
調査票より情報を入力してデータベース化するうえで、最も重要なことは、医療機関等より提供された情報を如何に正確に処理し、適切に抽出できるようにするかである。したがって、入力が基準書に従って、正確に入力されていることを確認することはデータの品質を保証するうえで、第一番目の点検事項である。
確認方法は様々あるが、入力ミスそのものを防止する意味で、通常はダブルエントリー方法による入力方法が取られていることから、単純な入力ミスはほとんどなくなっているので、全例全項目チェックの必要はないと判断する。むしろ入力基準や読替基準による判断ミスや基準の誤理解により誤って処理してしまった入力間違えが中心となってきていることから、この点を十分確認できる方法を選択必要がある。
 

 

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