経歴
大阪大学 大学院工学研究科 講師。 1997年群馬大学大学院工学研究科博士後期課程を中退。国立循環器病センター研究所生体工学部にて生体適合性材料の研究を行った後、株式会社東海メディカルプロダクツにて循環器用カテーテルの開発および製造に関わる。2004年より株式会社セルシードにて再生医療に係る開発および品質保証を担当し、臨床用細胞加工物の工程設計や細胞培養加工施設の設計と運用を実施。東京女子医科大学での細胞シート製造装置開発を経て、2014年より現職。細胞製造システムの開発に従事。工学研究科の細胞製造コトづくり拠点において、細胞製造コトづくり講座(社会人教育)および標準化・規制対応に関わる共同研究を担当。
2020/12/11 AD 再生医療
再生医療等製品の品質保証についての雑感【第20回】
はじめに 本稿でも、引き続き、再生医療等製品製造の無菌操作環境にて生じるリスクの考え方として、環境モニタリングと微生物迅速試験法の採用について、雑感を述べさせていただきます。 ● チェンジオーバーにおける無菌操作環境維持の条件 GCTP省令の適合確認においては、無菌性に関わる品質構築が最も大切な要素
2020/11/13 AD 再生医療
再生医療等製品の品質保証についての雑感【第19回】
はじめに 本稿では、引き続き、再生医療等製品製造の無菌操作環境にて生じるリスクの考え方において、清浄化と無菌化の手順構築について、雑感を述べさせていただきます。一般的な医薬品製造での清浄化あるいは無菌化は、無菌操作環境を工程ごとに構築し、除染等を含む初期化を実施するので、洗浄バリデーション設計の
2020/10/09 AD 再生医療
再生医療等製品の品質保証についての雑感【第18回】
はじめに 本稿では、現状の再生医療等製品製造における、無菌操作環境にて生じるリスクの考え方について、雑感を述べさせていただきます。一般的な無菌製品の製造方法は、「最終滅菌法による製造」と、「無菌操作法による製造」の2つがあります。両者の違いがどこにあるかと言えば、環境微生物管理(衛生管理)のコストが
2020/09/04 AD 再生医療
再生医療等製品の品質保証についての雑感【第17回】
はじめに 本稿では、無菌操作等区域で培養容器を操作する再生医療等製品製造において、それなりの製造ボリュームを考慮した商業生産における、製造施設(構造設備)設計の考え方について、雑感を述べさせていただきます。無菌操作等区域での工程切り替え(チェンジオーバー)については、2019年12月に公示された、経
2020/08/07 AD 再生医療
再生医療等製品の品質保証についての雑感【第16回】
はじめに 本稿では、再生医療等製品を製造する施設(構造設備)の中で、現状で無菌操作等区域として多く採用されている安全キャビネットの運用上での課題について、雑感を述べさせていただきます。今さらのことですが、安全キャビネットは、クリーンルームの「重要区域」としては特殊であるため、その特性を留意の上使用す
2020/07/03 AD 再生医療
再生医療等製品の品質保証についての雑感【第15回】
はじめに 本稿では、再生医療等製品を製造する施設(構造設備)について雑感を述べさせていただきます。 現状では、まだ商業生産用の構造設備、特にロットを構成する製品製造を目的としたものは非常に少なく、具体的な運用を想定した製造の例示は難しいです。そのため、GCTP省令に準じた構造設備は製品の無菌性確保の
2020/06/05 AD 再生医療
再生医療等製品の品質保証についての雑感【第14回】
はじめに 本稿では、運用設計(マネジメントシステム)において、基本的な概念を説明し、その雑感を述べさせていただきます。前回で述べましたが、運用設計は原則として、製造できること、細胞を製品にする手順が確立されていることを前提にお話しを進めたいと考えています。したがって、ここから細胞製造性など、再生医療
2020/05/01 AD 再生医療
再生医療等製品の品質保証についての雑感【第13回】
はじめに ここまで、生きた細胞を製品とする細胞製造性を考慮した再生医療等製品の製品設計の考え方と、それに付随して生じる製品の同等性を担保する製造再現性の考え方について、また具体的なお話しとして、製品の品質特性(CQA)と切り離すことの難しい原料等や細胞加工の操作など、工程設計について雑感を述べました
2020/04/03 AD 再生医療
再生医療等製品の品質保証についての雑感【第12回】
はじめに 製品の物流は、一般的には出荷判定後に不特定で実施されるものであり、品質管理の範疇としては微妙な事案かと思います。一方で、再生医療等製品の品質は、保管可能期間においても、環境からの影響により大きく変動する可能性が想定されますので、患者に投与されるまでの輸送および保存に関わる手順を含めて、適切
2020/03/06 AD 再生医療
再生医療等製品の品質保証についての雑感【第11回】
はじめに 本稿では、前回の上流工程に引き続き、下流工程における製品品質の確保について雑感を述べさせていただきます。上流工程が再生医療等製品の原料細胞から目的細胞までの品質確保(同質の細胞群を準備すること)に関する工程群なのに対し、下流工程は分離・精製と製品形態および保管手順を決定する工程群ですが、同