2018.12.07.FRI

そのほか

風邪に役立つ中国の知恵

この記事を印刷する

執筆者:余 知暁

 冬に入り、ますます寒く、風邪をひく人が多くなります。薬を飲んでも、飲まなくても、風邪を治すには1週間かかると言われておりますが、薬は確かに症状を緩和することができます。ここでは、中国でよく使われる、薬以外で風邪の回復とその症状緩和に役立つものを紹介いたします。

1.お湯
日本人はいつでも冬でも冷たい水を飲みますし風邪の時に湯冷ましを飲むこともあるかと思いますが、中国の習慣は温かいお湯を飲みます。風邪になるときは、何よりもお湯を飲むことが重要だと考えられています。お湯は体を温めるから、体が寒くなる「寒症」である風邪に当然良いです。お湯を飲む時は、咽喉部の粘膜が潤うので、ウイルスの侵入を防ぐことができると言われています。筆者個人の経験としては、風邪の初期段階で、喉に痒さ、痛さが感じられるとき、頻繫にお湯を飲むことで、治ることがよくあります。
実は、お湯を飲むことは中国文化の一つだといっても過言ではありません。幼稚園の子の母親が先生によく頼むのは、「お湯をよく飲ませてください」。親が遠いところで働いている子供に電話する時、よく言うのも「お湯を多く飲んで、体に気を付けて」。また男性が、交際中の彼女が病気や生理痛で調子が悪い時に、気遣いを表す言葉は「お湯を多く飲んでください」。ですから、友人が病気のとき、「请多保重」(発音:チン ドウ バウ ズオン、意味:お大事に)よりも「多喝点热水」(発音:ドウ ホ ディアン ロ スゥエ、意味:お湯を多く飲んでください)のほうがよりnativeな言い方だと思います。中国人はお湯を飲むのが大好きですので、日本の象印、THERMOS、タイガーの保温用水筒は中国ではとても人気があります。

2.生姜湯
普通のお湯より、生姜湯は体を温める効果がさらに良いです。伝統的な生姜湯の作り方は、生姜を切って、砂糖と一緒に水に入れて煮ます。ここで気を付けなくてはいけないことがあります。まず、中医では、生姜の皮の性は「涼」ですので、生姜の皮を必ず剥いてください。次に、中医では白糖の性は「涼」で、黒砂糖は「温」ですので、砂糖は白糖ではなく、必ず黒砂糖を入れなくてはいけません。生姜湯は生理痛の緩和にもよく聞きます。血行を促進して、体に必要な鉄分などのミネラルも補充できますので、平日の飲み物としても、女性にお勧めします。
現代では、コーラは中国の生活に染み込んでいますが、冬になると、中国エレメントが追加される独特な飲み物が生まれます。それは、生姜と一緒に煮て作る「生姜汁コーラ」です。冬になると、中国のレストランで「生姜汁コーラ」は一般的な人気飲み物になっています。

3.焼き蜜柑
私が小さい頃から、風邪で咳が出るとき、祖父がよく焼き蜜柑を作ってくれました。生の蜜柑と比べ、甘みが少し無くなりますが、味は悪くないと思います。作り方は以下の通りです。

(ア)    真ん中のところに楊枝などで穴をあけます。
(イ)    塩を少量入れます。風味が良くなるので、シーソルトを薦めます。
(ウ)    弱火の上に載せて、穴のところで沸騰する様子が見えるまで焼きます。皮が焦げますが大丈夫です。皮をむいて中身を食べます。

上記3つの方法以外に、「刮痧(グア シャー)」、「拔火罐(バー ホー グアン)」もよく利用される方法です。「刮痧(グア シャー)」は専用の器具を使って背中などの部位を、中医で「痧」と呼ばれる赤いポイントが肌に出るまで擦る伝統的な中医の方法です。「拔火罐(バー ホー グアン)」も伝統的な中医の方法ですが、やり方はエタノールを燃焼することで金魚鉢のような形の透明な器具の中の酸素を消費して、その器具の中を陰圧にします。
その後、数個の器具を背中に置くことで、体内の湿気を吸い出す。その後、器具を外します。施術された部位は、殴られたような円状の紫斑が出ます。このようなやり方と器具が必要なため、自宅ではなかなかできないものです。それに、「刮痧」「拔火罐」は、足裏マッサージのように痛いです。

お湯、生姜湯と焼き蜜柑は、風邪になるとき、中国ではよく使う薬以外の方法です。絶対有効とは言えませんが、風邪の症状の緩和に役立ちますので、風邪をひいてしまった時には、ぜひお試しください。
 

1 / 1ページ

  • arrow03_off.png先頭
  • 1
  • 最後arrow01_off.png

余 知暁

余 知暁

株式会社シーエムプラス中国リエゾンオフィス所長、GMP Platform コンサルタント。
2005年瀋陽薬科大学を卒業、同年日系大手エンジニアリング会社に入社。GMP部門のバリデーションエンジニアとして、日本において新設医薬製剤工場設立におけるバリデーション業務、DQ/IQ/OQ要領書の作成に従事。2010年上海東富龍科技股分有限公司入社。凍結乾燥機のエンジニアリング業務での通訳及び日中間における各種契約事項の調整に携わる。2013年株式会社シーエムプラスに入社。
PMDAによる中国製薬企業原薬工場GMP調査での通訳経験を複数回有し、中国語、日本語、英語と三ヶ国語を扱う。
2018年には中国CFDA(現NMPA)が主催する『日本のGMP査察システムに関する検討会』にメンバーとして参加。