2017.09.01.FRI

その他レギュレーション関連

ベトナム医薬品・医療機器分野への進出に関する法規制【第5回・最終回】

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執筆者:石川 賢吾

ベトナム医薬品・医療機器分野への進出に関する法規制【第4回】

ベトナム医薬品・医療機器分野への進出に関する法規制

第5回・最終回 医療機器輸入業等に関する法規制


【アップデートセミナー】
医薬品/医療機器及び医療分野でのベトナム進出に関する法規制
~M&Aの実務上の留意点も含めて~

 

1 医療機器輸入業に関する法規制
 医療機器分野でのベトナムへの進出形態について、前回の連載では、
1)ベトナム国内に製造拠点を設けて医療機器を製造し、ベトナム国内で販売する。
2)ベトナム国内に拠点を設け、自社又は他社製造の医療機器の輸入元となり、輸入
  した医療機器を販売する。
3)ベトナム国内に拠点を設けることなく、ベトナム国外で製造した医療機器を現地
  の輸入代理店に輸出する。
4)医療機器の製造、販売等を行う現地企業に対して資本参加する。
との選択肢があることを確認したうえで、上記1の進出方法に関連する法規制を検討しました。引き続き、上記2、3及び4の進出方法に関する法規制について検討します。
 
 医療機器輸入業での進出(上記2の進出形態)にあたっては、製造業での進出の場合と同様に、まず医療機器輸入業を事業目的とする現地子会社を設立する必要があります。その際、Law 67/2014/QH13(企業法)に基づく有限会社を法人形態として選択するのが一般的であること、有限会社の設立にあたって、投資登録証明書(IRC)及び企業登録証明書(ERC)の取得が必要となる点も同様です。
 但しこの点、投資登録証明書(IRC)の取得の際に、外資企業による輸入販売業に関するライセンスを受ける必要がある点に注意が必要です(Decree 23/2007/ND-CP)。製品の輸出入、卸、小売といった貿易・流通業については外資規制が存在しており、外資企業が同分野に対して投資を行う際には、投資登録証明書の取得に加えて、Decree 23に基づくライセンスの取得が必要となります。なお、当該ライセンスは、医療機器輸入業であることに着目した規制ではなく、外資企業による貿易・流通業への進出に関する一般的な規制です。
 
 上記のとおり現地子会社を設立したうえで、医療機器に関する業規制として、Decree 36に基づく医療機器の販売ライセンスを取得する必要があります。Decree 36に基づくDeclaration of Eligibility to Trade Medical Equipmentが当該販売ライセンスに該当し、1)医療機器の設置及び使用方法について十分な知識を有する専門技術者を有すること、2)医療機器の保管及び運送のための適切な設備を有していること又は第三者との契約によりこれらのサービスを提供可能であることが許可要件となります(Decree 36第37条及び38条)。なお、最もリスクの低いクラスAの医療機器の販売について当該販売ライセンスは不要とされており、正確には、クラスB~Dの医療機器を販売する際に当該販売ライセンスが必要となります。
 医療機器製造業での進出の際にも述べたとおり、医療機器を販売する前に、その品目毎にFree-Sale Registration Number(流通番号登録)を取得する必要があります。輸入医療機器に関する流通番号登録の取得にあたっては、1)当該医療機器の外国における製造業者においてISO13485又はISO9001を取得していること、2)当該医療機器の輸出国におけるCertificate of Free Sale(自由販売証明書)の提出等が要求されます(Decree 36第18条)。

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石川 賢吾

石川 賢吾

弁護士(東京丸の内法律事務所)。2007年一橋大学法科大学院卒業。2008年弁護士登録(第二東京弁護士会)。2015年米国ジョージタウン大学ロースクール卒業。同年ニューヨーク州司法試験合格。2015年~2016年ZICO Law法律事務所ホーチミンオフィスに勤務し、日系企業のベトナム進出案件に従事。2016年9月より東京丸の内法律事務所に復帰。