2021.02.19.FRI

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基礎からのGVP【第1回】

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執筆者:草間 承吉

GVPことはじめ①

かつて、「病院でもらうクスリは強いせいか体調が悪くなることがあるから使いたくない。」、「薬屋さんで買ったのがいいらしいよ。」、また、「病院のクスリで副作用がでたって新聞に出てたよ。」と様々な憶測で不安がり適正な服薬がなされず、「目的とした治療効果が得られず」といった医療の現場が散見されるということがありました。このため、適正な情報を伝えて安心してクスリを使ってもらう、今では当たり前なコンプライアンスの向上を図る活動を推進しようという機運が漸く始動しだした、といったところでした。
 


しかし、いざ適正な情報を伝えるとしても、開発段階の限定された医療環境下での情報だけでは不十分で、可能な限り使用実態下の情報をより具体的に患者に伝えることがコンプライアンスの向上には必要であるということから、積極的に製造販売後の情報を収集することとなった。そして、様々な情報収集活動が、時によっては競争的に、恣意的に行われるなど、混乱のもとに情報が集積されることになってしまい、情報の信頼性が著しく欠けるものもあり、クスリそのものの信頼性を揺るがすこととなってしまった時代があった。

1.GVP制定に至るまでの経緯 
GVP(Good Vigilance Practice)は製造販売後の安全管理業務を適正に実施するための基準であり、いわゆるGXPシリーズの製造販売後版である。この基準を制定するに当たっては昭和54年の再審査制度制定に始まり様々な変遷があった。その大きな流れとしては、再審査制度が始まってから実際に再審査申請が行われるようになった昭和60年前後まで、問題点が検討されGPMSP(Good Post Marketing Surveillance Practice)が制定されるまでの平成5年前後まで、GPMSP・改定GPMSP、新GPMSPへの変更にいたる平成10年前後までといくつかの節目があり、現在のGVP・GPSPへの分離制定へと徐々にその目的にかなった基準となってきた経緯がある。(医療機器に関しては、若干、スタートの時期に違いはあるものの同様な経緯により現在は医薬品と全く同様の基準となっている。)

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草間 承吉

草間 承吉

医薬品、医療機器、医薬部外品等の開発から製造販売後までの安全確保業務を黎明期から30年以上にわたり幅広く経験・管理・監督してきた。この間、業界活動においては製薬協PMS部会や東薬工医薬品安全性研究会、日薬連安全性委員会等でDSUやPMS担当者研修講座の設立等にも関与した。これらの経験を生かし15年前にPMSフォーラムを設立し、製薬企業等からの業務相談に対応しながら、指導・教育に努めている。