2021.02.12.FRI

品質システム(PQS)

薬機法改正、特にGMP関係への対応 その中での京都府の取り組み『京都府薬事支援センター』【第3回】

この記事を印刷する

執筆者:田中 良一

薬機法改正、特にGMP関係への対応 その中での京都府の取り組み『京都府薬事支援センター』【第2回】

第3回 法令遵守体制の整備に関する薬機法改正とGMP省令の改正(2/2)

3.GMP省令の改正によるPQSの規制化と法令遵守体制との関係性
 皆さま、既にご存知の方も多くおられると思いますが、GMP省令についても改正に向けて作業がされています。
 令和2年11月に実施されたパブリックコメントの中では、公布(お披露目)されるのが、令和3年4月上旬で、実際の施行(運用開始)される時期が令和3年8月1日ということで、薬機法改正に基づく法令遵守体制の施行(運用開始)と同日付けとされる予定です。

 GMP省令の改正が予定されている内容のうち、トップマネジメント主導によるいわゆるQMS(Quality Management System、品質管理監督システム)による体系的な企業の品質マネジメントを求める部分については、特に大きな改正事項かと思います。

 医療機器などでは既に国際整合の観点から、平成17年より、日本においても導入されており、医薬品でも、ICH(医薬品規制調和国際会議)において品質(Quality)に関するガイドラインである「ICH Q 10」が示され、10年以上前から、医薬品のQMS(PQS、PHARMACEUTICAL QUALITY SYSTEM)の重要性は示されていたところですが、医薬品においても製造業者の法令遵守体制の強化、国際整合の流れ、PIC/Sへの加盟などを踏まえまして、いよいよ規制化されることとなります。

 こちらでは詳しくは説明しませんが、QMSは、「品質」をマネジメントする仕組みであり、いろいろなプロセスでPDCAを回しつつ、そのプロセスの集合体である企業は、大きなPDCAを回し、継続的な改善を行いつつ、一定の「品質」が確保された製品を送り出し続ける体制を構築し、維持していくことが求められます。

 一方で、今回の薬機法改正で求められる「法令遵守」の体制整備について、その内容を見ていきますと、非常にQMS(PQS)に通ずるところがあるのがわかります。

 例えば、QMS(PQS)では、企業のトップマネジメントが「品質方針」を掲げ、それに向けて一丸となり品質を造り込んでいく。
 一方で、法令遵守体制では、責任役員が「法令遵守の指針」を示して、それに向けて同じく一丸となり法令遵守に取り組んでいくこととされています。

 そのほか、QMS(PQS)の「経営陣の責任」、「実行性あるシステム」「経営陣の上申プロセス」、「責任権限の規定」、「適切な資源(能力・経験等を有した人の確保・配置等)のコミット」「内部の情報伝達(情報収集・コミュニケーション)」などは、前に記載している法令遵守体制の整備において法令で求めている部分と非常に似ています。

 また、パブリックコメントの結果において、厚生労働省から「各製造販売業者等は、自社において法令等の違反が生じるリスクを評価し、そのような違反が生じないために、どのような対策を行うべきかを検討し、不断の改善を行うべきです。」と示されており、これは正にQMS(PQS)でいうところの肝である「継続的な改善」他ならないかと思います。

1 / 2ページ

田中 良一

田中 良一

2006年、京都府に入庁。環境行政のほか、主に本庁にて医薬品等GMP業務や医療機器等QMS業務に5年間従事。
平成30年度から2年間、厚生労働省医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課のGMP指導官として、
令和元年度に改正された医薬品医療機器等法の改正や、GMP/QMS省令改正作業に従事するとともに、GMP/QMSの不適正事案の対応に取り組む。
現在は、京都府に戻り、地方衛生研究所である京都府保健環境研究所内に設置された京都府薬事支援センターにて
医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器、再生医療等製品等の研究開発から実用化に至るまでの薬事支援を行うために、各種取り組みを行っている。
令和3年現在、医機連QMS委員会、日本PDA製薬学会関西勉強会などに所属。