2021.01.15.FRI

品質システム(PQS)

薬機法改正、特にGMP関係への対応 その中での京都府の取り組み『京都府薬事支援センター』【第1回】

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執筆者:田中 良一

第1回 令和はじめての薬機法改正

はじめに
 気づけば令和2年も終わり。この記事を書いているのは令和2年の年末ですが、特にこの年は、あっという間に過ぎた印象です。コロナ禍の下、皆さんいかがお過ごしでしょうか。私は、4月より京都府職員として、再び薬事関連業務を行っていますが、令和2年3月末までの2年間は厚生労働省にてGMP指導官として薬機法改正に携わってきました。そのため法改正について僭越ながら少し解説させていただきたいと思います。

1.法律は何故改正されるのか
 めまぐるしい科学の進歩、私も大学生の時にはじめて手にした携帯は数十文字のメールしかできず、写真も撮れませんでした。それから20年が過ぎた今、スマートフォンを片手に、仕事のメールも写真もこれ1台でこなせる、すごい時代になりました。そして、これからもこの変化は続くのでしょう。
また、このコロナ禍で、今まで遠い存在と考えていたテレワークやWeb会議も、日常のツールとなるなど、環境の変化に適応していくために世の中は本当に変わっていくのだな、と改めて驚いています。 
 このように世の中が動いている中で、我々は、日本という法治国家において、法律に従って生活をすることが求められます。
 ただし、法律といえども万能ではありません。その時々の社会の変化に法律も対応していかなければなりません。
 そのため、多くの法律は定期的に見直すことを、その法律の中で宣言しています。
 薬機法もこれに漏れず、『政府は、この法律の施行後5年を経過した場合において、新法の施行の状況を勘案し、その規定について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。』とされていました。

 令和元年の年末、世の中の変化に対応するため、薬機法が改正され、令和2年から順次運用が始まっています。

 今回の薬機法改正の趣旨は『国民のニーズに応える優れた医薬品、医療機器等をより安全・迅速・効率的に提供するとともに、住み慣れた地域で患者が安心して医薬品を使うことができる環境を整備するため、制度の見直しを行う。』とされています。

 国民が今、必要としているものは何なのか、安心して使用出来る環境はどうしたら叶うのかなどについては、これまで厚生科学審議会の『医薬品医療機器制度部会』において様々な分野の専門家の方々が国民の代表として、議論をしてきております。

 時間があれば、『医薬品医療機器制度部会』で今回の法改正に向け、どのような議論がされてきたのか、議事録を見てみて下さい。https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-kousei_430263.html
(参照 2020-12-28)
 何故、このような改正がされたのか、その背景などを理解することができます。
 今後、法改正に対応する上でも、議論された内容を理解することにより、その目的がクリアになり、対応もスムーズに出来るかと思います。
 
 私も、色々と法改正への対応を行政の目線で考える中で迷う場面が生じたときには、上記議事録などを見て、そもそもの背景に立ち返るようにしています。
 また、数年経った後も、必要に応じ、議事録や当時の情報を改めて確認することにより、背景を再認識し、業務に活かせることがあります。

 そのため、法律が改正された際の、このような情報は有用なものです。
 

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田中 良一

田中 良一

2006年、京都府に入庁。環境行政のほか、主に本庁にて医薬品等GMP業務や医療機器等QMS業務に5年間従事。
平成30年度から2年間、厚生労働省医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課のGMP指導官として、
令和元年度に改正された医薬品医療機器等法の改正や、GMP/QMS省令改正作業に従事するとともに、GMP/QMSの不適正事案の対応に取り組む。
現在は、京都府に戻り、地方衛生研究所である京都府保健環境研究所内に設置された京都府薬事支援センターにて
医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器、再生医療等製品等の研究開発から実用化に至るまでの薬事支援を行うために、各種取り組みを行っている。
令和3年現在、医機連QMS委員会、日本PDA製薬学会関西勉強会などに所属。