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2020.11.13.FRI

レギュレーション

【医薬品工場建設のノウハウ】リーンクオリフィケーションアプローチの考え方を取り入れたプロジェクト遂行について【第5回】

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執筆者:伊藤 崇

【医薬品工場建設のノウハウ】リーンクオリフィケーションアプローチの考え方を取り入れたプロジェクト遂行について【第4回】

共著:坂田 憲紀

最終回はDQ、IQ、OQ、PQについて説明します。

(10)DQ
PICS GMPのAnnex15の中でDQは以下のように「設計がGMPに適合していることを実証し、文書化する」と「ユーザー要求仕様の要求事項も設計時適格性評価中に確認する」という2つの要件を求めています。

PICS Annex15 DQについて(参照:PIC/S解説シリーズ Annex15 Qualification and Validation)

Design qualification (DQ)

3.3 The next element in the qualification of equipment, facilities, utilities, or systems is DQ where the compliance of the design with GMP should be demonstrated and documented. The requirements of the user requirements specification should be verified during the design qualification.

設備、機器、ユーティリティあるいはシステムのクオリフィケーションの次の要素はDQであり、設計がGMPに適合していることを実証し、文書化すること。 URSの要求事項も設計時適格性評価中に確認すること。
PICS GMP ANNEX15
 
この2つの要件に対して適切にDQを実施するためには、予めURSの中に当該システムに該当するGMP要件を整理しておくことが一つの方法として考えられます。GMP要件が整理されたURSをもとにDQを行うことで上記2つの要件を達成することが可能となります。また、前述したGMPCAにて予めシステムごとに関連するGMP要件を整理しておくことで、URSへの展開が容易になります。
一方、プロジェクトにおいてはエンジニアリングの活動としてデザインレビュー(DR)を実施します。DRはエンジニアリング部門が、システムについてGMPのみならず安全や環境も含めた機能全般について確認する活動です。このDRでの活動をDQへ利用することが効率的なクオリフィケーション遂行に繋がります。“final Design review with Quality unit”として、品質部門も参画(GMPに関する要件のみ)しDRを行い、実施結果を文書化することでDQが実施できます。

(10)IQ、OQ、PQ
IQ、OQは、建築会社や設備メーカーが実施するFAT(工場出荷前検査)やSAT(現場据付後検査)の報告書を引用して実施します。これにより、FATやSATで行われた検査を再度実施する必要がなくなり、工期の短縮、費用の節減が期待でき、効率的にバリデーションを進めることができます。Annex15ではFATとSATを以下のように解説し、IQ、OQの一部としてクオリフィケーション活動に組み入れることができるようになりました。

 Annex15 FAT/SATについて(参照:PIC/S解説シリーズ Annex15 Qualification and Validation)
 
Factory acceptance testing (FAT) /Site acceptance testing (SAT)
3.4. Equipment, especially if incorporating novel or complex technology, may be evaluated, if applicable, at the vendor prior to delivery.

3.5. Prior to installation, equipment should be confirmed to comply with the URS/functional specification at the vendor site, if applicable.

3.6. Where appropriate and justified, documentation review and some tests could be performed at the FAT or other stages without the need to repeat on site at IQ/OQ if it can be shown that the functionality is not affected by the transport and installation.

3.7. FAT may be supplemented by the execution of a SAT following the receipt of equipment at the manufacturing site.

3.4.生産設備、特に複雑で新しい技術を組み込んだ機器は、現場への搬送前にサプライヤーの工場で評価をしてもよい。

3.5.出来るなら、ベンダー側で設備がURSあるいは機能仕様を満たしていることを確認すること。

3.6.正当化できるなら、設計文書の照査といくつかの試験はサプライヤーの工場で行い、その結果が機器の輸送と据え付けで機能的に影響を受けないのならば、現地にて試験を繰り返す必要はない。

3.7.現地での受け入れ確認試験SATによってFATが補足される可能性もある。
 
PICS GMP Guide Annex15, 2015
 
 

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伊藤 崇

伊藤 崇

株式会社シーエムプラス エンジニアリング事業部バリデーション部 部長
東京都立大学工学部機械工学科卒業、明治製菓株式会社に入社し設備エンジニアとして、菓子製造、無菌製剤・経口剤製造設備、発酵原薬製造設備また海外では、インドネシア、スペイン、インドの製薬工場のエンジニアリングを経験し現在に至る。

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