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2020.10.16.FRI

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CSVからCSAへ データインテグリティも踏まえたFDAの新ガイダンス動向【第1回】

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執筆者:的場 文平

FDA CDRHが新ドラフトガイダンス公開を2020会計年度中に予定と発表
FDAにおいて医療機器の規制を担当するCenter for Devices and Radiological Health(以下、「CDRH」と略記。)が、そのウェブページCDRH Proposed Guidances for Fiscal Year 2020 (FY 2020) (https://www.fda.gov/medical-devices/guidance-documents-medical-devices-and-radiation-emitting-products/cdrh-proposed-guidances-fiscal-year-2020-fy-2020)において、2020会計年度(2019年10月~2020年9月)中に発出予定のPrioritized Guidance Documents that CDRH Intends to Publish in FY2020 のDraft Guidance Topicsの中に”Computer Software Assurance for Manufacturing, Operations, and Quality System Software”を含めて発表したのは、昨年2019年の10月11日である。執筆者はコンピュータシステムに関する薬事規制対応に関して日頃から実際的な業務を行いながら最新情報の収集を心掛けている者であるが、恥ずかしいことにこのアナウンスを見逃していたのみならず、Computer Software Assuranceという言葉の意味するところ、CDRHがこのようなドラフトガイダンスをなぜ、またいつからどのような目的で準備していたか等に関する何らの知識も持ち合わせていなかった。はじめてこのテーマを知ったのは、本GMP Platformサイトで古田土 真一氏が2020年6月12日に「米国FDA/準備はいいか? CSVからComputer Software Assuranceへ」の記事で『Pharmaceutical Onlineが「Are You Ready? FDA's Transition From Computer System Validation To Computer Software Assurance」と題する抄録を掲載しています。』と紹介されたのを読んだ時点である。すぐにいくつかのウェブページ検索を経て、CDRHが2011年から取り組んでいる「Case for Quality」という業界を巻き込んだ活動の主担当者である(Fran)Cisco Vicenty氏がGreenlight Guruという会社のウェビナーで発表したプレゼンテーション資料「The FDA’s Case for Quality: Enabling Improvement in the Medical Device Industry」に到達し(https://www.slideshare.net/greenlightguru/fdas-case-for-quality-what-why-and-how-changing-the-regulatory-paradigmからダウンロード可能)目を通すことでやっと背景や経緯が理解できたという状況である。
本記事の原稿の執筆時点である2020年8月下旬時点で当該ドラフトガイダンスは未公表であるものの、この連載の途中には公表されると思われため、公表され次第その内容をタイムリーにご紹介したい。しかしその前に、既にコンピュータシステムのバリデーション(以下、「CSV」と略記。)についての基礎知識を持ち合わせている医薬品GMP分野の読者の方々を念頭において、この約20年間のCSVの有り方を振り返りながら、なぜFDAの「Case for Quality」の中で、”Computer System Validation To Computer Software Assurance”という一種のパラダイムシフトが必要となったのかの理由を執筆者自身も認識することから始めたい。

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的場 文平

的場 文平

2019年1月より小野薬品工業株式会社 CMC・生産本部 分析研究部所属。
医薬品GMP分野におけるITシステム、特にMES、LIMS、CDSの取り扱いを専門とし、最近4年間はデータインテグリティ確保に関して執筆・講演。じほう社刊佐々木次雄/編「FDAのGMP査察から学ぶ 第2版 読めばわかる査察官の視点・指摘の意図」の「第2章 医薬品に対するForm 483とWarning Letters」、「第6.10章 データ管理とデータの完全性」の執筆を分担。過去にアストラゼネカ株式会社(2006年)、富田製薬株式会社(2017年)、日本イーライリリー株式会社(2018年)に勤務。2007年1月~2017年3月の約10年間は独立行政法人医薬品医療機器総合機構 情報化統括推進室にて薬事申請承認許可業務管理システムの企画・運用・保守業務およびEMA EudraGMDPシステム端末の国内導入設置業務、ならびに医療情報活用推進室にて医療情報システム(MID-NET)のインフラ構築業務に従事。2002年~2005年には、日本アイ・ビー・エム株式会社およびIBMビジネスコンサルティングサービス株式会社(当時)にて、製薬・医療機器製造企業向けのPart 11対応/ER・ES指針対応/CSVのコンサルティング業務に従事。2004年にはISPE GAMP JAPAN ForumのGAMP 4翻訳チームリーダーとしてGAMP 4日本語訳出版を推進。自称「FDA情報収集オタク」、「英文ガイダンス文書速攻翻訳家」、「替え歌作詞家」。