2020.07.03.FRI

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業界雑感 【2020年6月】

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執筆者:村田 兼一

業界雑感 【2020年5月】

過去の延長線上に未来は?

 医療機関の経営が危ない。新型コロナウイルスの感染者を受け入れた病院だけでなく、その他の医療機関でも不急の手術の延期や外来受診の患者数の減少などに加え、アルコール消毒液など衛生物資の不足や高騰、それに伴う感染症対策費の増加で経営環境を大きく圧迫しているという。もともと医療機関の収入の大半は診療報酬であり、その診療報酬単価を前提として外来にしろ、入院病床にしろ、フル稼働を前提に医療保険制度が組み立てられてきたものだから、患者数が減少したり病床稼働率が低下したりすれば、減収となることは当然ともいえる。厚生労働省も重症・中等症のCOVID-19患者に対する診療報酬上の評価を3倍に拡充するなど、一定の対応をしているようにも見えるが、コロナ以外の診療への対応はこれからのようだ。コロナ前までは毎年1兆円ずつ増加する医療費をなんとか抑制しようという方向で、過去から積み上げられ、組み立てられてきた診療報酬制度だったので、想定を超える感染症がいつどんな形で終息していくのかもわからない今の段階では、対応も難しいのだとは思うが、第二波の到来にしっかり備えてもらうためにも、経済的な理由での医療崩壊だけは招かないよう考えてもらいたい。

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村田 兼一

村田 兼一

村田兼一コンサルティング株式会社代表取締役。
1978年藤沢薬品工業(現アステラス製薬)入社。注射剤製造、無菌バリデーション技術開発、FDA対応、基幹システム(SAP)開発等に従事後、生産本部にて中期戦略企画、工場分社化推進・合併準備委員会に携わる。合併後のアステラス製薬では、戦略企画の後、製造委受託の推進を担当する。
2012年に退社し、村田兼一コンサルティング株式会社設立。工場の原価をはじめとする計数マネジメントを中心に、SAP開発を含むサプライチェーン全般の管理・改善を専門とする。