2020.03.27.FRI

品質システム(PQS)

Quality Culture【第3回】

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執筆者:脇坂 盛雄

Quality Culture【第2回】

経営者の姿勢

 Quality Cultureにとって一番重要なのは経営者の姿勢と能力だと断言しても過言ではないと思います。最近のケースを取り上げてみたいと思います。ケースに取り上げた会社だけでなく、他にも同様のケースが多くあり、この会社だけではありません。
かんぽ生命 保険の不適切販売の疑い1万2800件余 特別調査委 
2019年12月18日
NHKニュースより一部引用
1)法令や社内ルールに違反する疑いのある販売がこれまでに1万2800件余り確認
  された
2)問題の原因として、営業目標達成のために保険の販売手法に問題がある社員を
  厚遇してきたため、不適正な募集が黙認される風潮が形成され、不適切な販売
  手法が各地に広まった
3)営業目標の必達主義を背景にした厳しい営業推進管理が行われていたこと、
  一部の社員に対して達成困難な営業目標が課されていたこと、さらに不適正な
  販売を防ぐ態勢の整備が不十分だったことや、日本郵政グループのガバナンス、
  企業統治の在り方にも問題があったと指摘

 当初、経営陣はこの問題をもっと前に把握していましたが、その時に適切な対応をせず、後手後手になってしました。かつ「現場の問題」と説明し、自分たちの責任を現場のせいに転嫁してしまいました。そして日本郵便株式会社は、2016年のブラック企業大賞で、特別賞とWeb投票賞を受賞してしまいました。
「魚は頭から腐る」との諺がありますが、その典型のようなケースのように思います。

 歴史から学ぶことは、同じ過ちをしないためです。特に経営者がそれを実践できているかです。

自動車メーカー 不正・隠蔽の連鎖
 三菱自動車、日産、スバル、マツダ、スズキ、ヤマハ発動機が事例としてあげられています。
しかし、トヨタ、ホンダ、ダイハツ、いすゞなどは不正が報告されていません。
この違いは何でしょうか?まさに経営者の姿勢なのではないでしょうか?
物造りの現場の声を聴き、無理をさせていなかったのだと思います。無理をさせると一時的には見かけの成果はでますが、長い目で見ると不正を生む温床になっていきます。

「会社はいつ道を踏み外すのか 経済事件10の深層」田中周紀著 ”経営者の踏み外しは影響大”
https://blog.goo.ne.jp/egaonoresipi/e/12294fe3487d5c46424645781381a81c(参照 2020-02-28)
1)東芝「不正経理」問題
2)山一証券「飛ばし」事件
3)オリンパス巨額「粉飾決裁」事件 など
 東芝は原子力の米国会社を6,000億円で無理して購入(2,000億円くらいの価値しかなかった)した結果、悪くなった業績を隠して先送りをした結果でした。
 山一証券も先送りせずに、他の証券会社と同じように膿を出していれば、倒産まで行かなかったのでしょう。
大和証券も、海外に飛ばしをして先送りを選択しようとしましたが、力のある会長の判断で膿を出しました。
 オリンパスは外国人の社長でしたので、膿を出せました。その社長は解任されましたが、結果的にはそれが会社を救ったようです。
 法に反することをしない、問題が発見したら、経営者は自分の首が飛んででも先送りしないことなのでしょう。自分の首を優先したトップは会社をダメにしました。

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脇坂 盛雄

脇坂 盛雄

1979年エーザイ株式会社入社、9年間、品質管理と21年間、品質保証を担う。
専門領域はGQP品質保証、注射剤及び固形剤の異物対応、品質リスクの発見と低減対応 ・医薬品/食品の表示校閲、製品回収リスク回避対策 ・逸脱/苦情対応、変更管理(一変/軽微変更)対応。品質保証責任者(品責)、統括部長および理事を歴任し、2013年9月末に退職。
現在は企業のコンサル・顧問を行う傍ら講演会講師、書籍執筆などを精力的に行っている。

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