2014.06.09.MON

品質システム(PQS)

現場管理者・監督者へのメッセージ(GMPの3原則から)【第1回】

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執筆者:小坂井 宏

1.まえがき
 医薬品製造で日々GMP管理に携わっておられる現場管理者・監督者の皆様にGMPの取り組みのヒントを提供するために「GMP3原則」という切り口でメッセージを送りたい。これから計13回のシリーズで、筆者の考え方について経験談を織り交ぜてお伝えしたい。現場の管理者・監督者の皆様に僅かな部分でも参考になれば幸いである。「GMPの本質は変わらない」との思いから個人的な見解を記述したので、最新のGMPガイドライン等の解釈と整合していない場合があるかも知れないが、その点はご容赦願いたい。
 本稿は、国内向け医薬品を前提に記述している。各社の製造所の規模にもよるが、本稿で言う「現場管理者」とは製造・品質部門の現場のマネジャークラス、「監督者」とは係長・主任クラスを指している。
 
1.1.GMP3原則への思い

「GMPの3原則」
(1)人為的な誤りを最小限にする。
(2)医薬品に対する汚染および品質低下を防止する。
(3)高度な品質を保証するシステムを設計する。

 GMP関連の入門書・解説書を見れば必ず記載されているので、製造所に勤務されている方なら知らない人はいないであろう。
 筆者が「GMPの3原則」に初めて触れたのは、製薬企業の研究所や本社に勤務した後に生産工場に赴任した1980年代前半の頃であった。当時の厚生省「医薬品GMP解説」で「3つの要件」と言われていたと記憶している。それから四半世紀ほど経過した今日でも「GMPの3原則」として、規制当局や医薬品業界でも頻繁に引用され、今なお新鮮な響きがあることに「我々の世代は何をやってきたのか」という複雑な思いを抱く。多少自己弁護させていただくなら、GMPとは「こういうことすれば完成」といったゴールがあるものではなく、生産や管理の技術・システムなどの進歩にあわせて、不断の改善努力をしなければならない永遠のテーマなのであろう。
 

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小坂井 宏

小坂井 宏

1971年武田薬品工業(株)入社。製剤化技術検討や、国内工場の製造部門・品質管理部門で製造技術・バリデーション・GMP管理・FDA査察対応などの職務に従事。工場 製造部長・製剤部長、製薬本部 品質保証部長、武田アイルランド社長(海外工場)を歴任。2013年退職。
製造所のGMP管理(製造管理、品質管理、文書管理)の実践的対応、FDA査察の実践的対応を得意とする。