2019.11.22.FRI

品質システム(PQS)

GMP適合性調査における6つのサブシステム【第7回】

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執筆者:新井 一彦

GMP適合性調査における6つのサブシステム【第5回】

GMP適合性調査における6つのサブシステム(製造システム)

1.製造システムの目的
 「製造システム」では、製品特性に要求される製造作業環境の維持、並びに製造工程、工程管理、及びバリデーションを含めた中間製品、製品の製造を管理する方法と活動の遵守状況及び管理状態を調査することが目的である。

2.製造システムにおける確認事項
4-01:手順書類    
 「製造システム」においても、手順書類の整備は必須であり、上位の管理基準書の他に、製造作業環境の維持、並びに製造工程、工程管理、及びバリデーション等の手順を文書化しておかなければならない。「管理監督システム」の1-03:文書管理の項目に記載した事項に準拠しなければならない。

4-02:製造指図書・記録書管理    
 製造指図・記録書は、品質部門の承認を得たものでなければならず、承認内容との不整合や指図内容の意図しない変更(もしくは、改ざん)を回避するために、「製品標準書」の一部として最新版管理を行うのがよい。

4-03:作業前確認    
 製造前には、指図書に記載された品目に対する原料や資材が適切に準備されていること、製造設備が清浄であること確認しなければならない。そのためには、品目名、製造番号の表示や前回製造における残留物がないこと(ラインクリアランス)を確認する必要がある。

4-04:工程管理    
 GMPでは、製品の品質は、最終製品の検査だけでは担保されないとされる。製品の品質は、製造工程の中で作り込まれると言われており、バリデーション等で設定した工程管理項目が規定通りであるかを確認することが重要である。

4-05:異物混入・汚染・混同防止    
 異物混入・汚染・混同防止のためには、「間違いを防ぐ、汚染を防ぐ」ための適切な製造設備および、それらを設置する部屋のレイアウト・内外装材・空調システム・各部の納まり等を詳細に設計することが重要である。

4-06:設備・機器管理    
 設備・機器の管理では、設計段階での要求事項の明確化、日常点検、定期点検の計画的な実施がポイントである。設計思想は、製品の品質そのものに影響を及ぼすものであり、それらの適切な点検(保全)により、製造中の故障トラブルの防止にもつながる。

4-07:校正    
 25℃という温度を測定しなくてはいけないときに、その温度計が確実かつ正確に25℃を示している保証はあるかを基準となる標準温度計を用い実証するのが校正である。そのため、国家標準等へのトレーサビリティの確保が重要であり、定期的な校正も必要となる。校正は、機器毎に、校正頻度を定め、計画的に実施しなければならない。

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新井 一彦

新井 一彦

C&J 代表
化学系企業にてバイオテクノロジーを利用した医薬品の探索、開発研究に従事。その後、開発医薬品(無菌製剤)の製造工場立上げに製造管理者として関わりGMP組織体制、基本構想を構築した。
平成17年の改正薬事法完全施行に合わせ、新たに製造販売業を取得するため某ジェネリックメーカーの設立に関与。取締役信頼性保証本部長として総括製造販売責任者の責務を担った。
現在、C&J 代表として、講演、執筆、国内外のGMPコンサル業務活動を推進。