2019.07.19.FRI

その他レギュレーション関連

【最近のウォーニングレター】ASTROM通信<171号>

この記事を印刷する

執筆者:橋本 奈央子

【最近のウォーニングレター】

ASTROM通信<171号>

株式会社プロス発行のメールマガジン『ASTROM通信』のバックナンバーより記事を抜粋し、一部改編をしたものを掲載いたします。

本稿は【2019.6.1】に発行されたものです。
記事の原著は、こちらでご確認下さい。 ASTROM通信バックナンバー

こんにちは 
ASTROM通信担当の橋本奈央子です。

だんだん暑くなってきましたが、いかがお過ごしでいらっしゃいますか。

さて、今回は、FDA(米国食品医薬品局)の製造品質局から、製薬会社向けに出されたウォーニングレター(2件)について見ていきたいと思います。
ウォーニングレターに挙げられている指摘内容には、どこの会社様にも起こりうることが含まれていますので、アメリカへの輸出があるなしに関わらず、是非参考にして頂ければと思います。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
最近のウォーニングレターの概要  
注:文中のXXはウォーニングレターでマスキングされている文言です。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
■WL:320-19-17 インドの製造所の査察(2018/8/13~2018/8/29)でみつかった医薬品製造における重大なCGMP違反に関する2019/3/21付ウォーニングレターには、下記の指摘事項があげられています。
1.貴社は医薬品の製造、加工、包装、保持に使用される建物を清潔で衛生的な状態に保ち、ネズミ・鳥・虫・その他の害獣がいない状態を維持することを怠った。
原材料の保管室において、我々査察官は、多数の飛んでいる虫を発見した。FDAは、この部屋の中で貴社の従業員が製造に使用するための原材料XXロット#XXを分配し、この原材料の中に生きた蛾が浮いているのを見た。貴社はホメオパシー医薬品を製造するためにXXを使用する。査察官が原材料XXの中にこの蛾の存在を指摘した時、貴社はその虫の含まれた原材料をホメオパシー医薬品の製造に使用し続けた。
さらに、いくつかの黄麻布に詰められたさまざまな原材料が隔離保管室中に散在してて、この部屋の天井にはカビと思われる染みがついていた。倉庫内で原材料が漏れている容器が他の原材料の近くでみつかり、多数ホメオパシー医薬品の製造に使用される製造エリア内の換気口に未確認のXXが付着していた。
貴社は回答で、査察結果の各要素について是正処置・予防処置(CAPA)を行い、是正処置の1つとして手順を改訂し、教育を作業者に行うと述べた。
貴社は回答内に、改訂した手順を裏付ける文書やこれらの是正処置の実施のタイムラインを含めなかったので、我々は貴社の回答の妥当性を評価できない。
この文書への回答の中に以下の情報を含めよ。
・ロットの処理やこの成分が使用された最終製品のロットの情報を含む、原材料
 XXロット#XXの回顧的レビュ
・貴社の医薬品製造エリアに虫やその他の害獣がいないことを保証する有害生物
 駆除や製造手順のレビュ
・貴社が建物を有害生物がいない状態に保ち清潔で衛生的な状態を維持できると
 いうことを示した詳細手順
・虫やその他の害獣に汚染された可能性のある原材料を使用し、アメリカ市場に
 出荷され、使用期限内にある全ての製品に関するリスクアセスメント

2.貴社は、公式のまたはその他の制定された条件を越えて、医薬品の安全性、同一性、含量、品質、純度を変える可能性のある誤動作や汚染を防ぐために、装置と器具を清潔にし、メンテナンスし、医薬品の性質に応じて適切な間隔で消毒・殺菌することを怠った。
貴社は、XXとラベルを付けられたXXを含むXXをホメオパシー医薬品の成分として使用するために貴社の製造所で生成する。査察中、査察官は、製造所の屋根にあるXXシステムのための保管タンクにひびが入り、外部環境にさらされていることを発見した。さらに、XXシステムのパイプは、システムが過去のある時点に漏れていたことを示すように、テープまたは布状の素材で継ぎが当てられていた。
貴社のXXシステムの破損の状態から、査察官は、XXシステムの2018年の微生物試験の結果を求めたが貴社は提出できなかった。貴社は回答の中で、2017年11月から2018年3月までの間、微生物試験を実施していなかったことを認めた。XXシステムの適切なモニタリングと管理をせずに、貴社は、バリデートされた状態が維持されていたと保証することはできない。この文書への回答の中で以下の情報を提供せよ。
・XXシステムの改善、設計、管理、メンテナンスに関する包括的なCAPAの計画
・XXシステムのバリデーション報告書
 継続的な管理とメンテナンスのために、システムの設計とプログラムに行われ
 た改善の概要も含めよ。
・このシステムが医薬品の使用目的にあったXXを製造していることを保証するた
 めの適切な微生物の総数を示すデータ
・発見された水システムの不具合の、現在アメリカに流通し使用期限内の全ての
 医薬品のロットの品質への影響の可能性に関する詳細なリスクアセスメント

1 / 2ページ

橋本 奈央子

橋本 奈央子

株式会社プロス CSマネージャ

製薬企業向け生産管理システムの導入、バリデーション作業に従事。
コンピュータ化システムバリデーションにマンパワーをかけられない
中小の製薬企業にて、バリデーション作業支援を実施。
規制当局のサイト等から、最新の規制動向や指摘事例を収集し、月2回ASTROM通信にてご提供。