2019.02.15.FRI

品質システム(PQS)

QCの役割を徹底理解【第2回】

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執筆者:脇坂 盛雄

第2回 試験の原理を知り、新たな評価方法を作成する力を持つ

 前回、QCの使命は「試験を行うだけではなく、評価することだ」と説明しました。評価する対象は、原料/資材/製品だけでなく、様々な評価があります。その評価では公定書にある試験方法や、研究開発部門や他社から技術移管された試験を行う以外に、下記の試験方法や分析方法などもあります。

・洗浄バリデーションの試験方法確立
・原薬の銘柄追加/製造方法変更などでの類縁物質試験/不純物測定&物性評価
・異物の分析
・品質トラブル時の評価方法確立
・試験方法の基本
滴定/比色反応/誘導体の作成/分離分析(GC/HPLC)/結晶形・粒子径の違い(TG/DSC/X線回折/粒度測定装置)/異物の同定(顕微IR/X線マイクロアナライザー)
・分析バリデーション
真度/精度/併行精度/室内再現精度/特異性/検出限界/定量限界/直線性/範囲/頑健性

 これらの試験方法の原理を知り、どの場合にどの試験を行うか、試験のバリデーションをどうするかがQCにおける醍醐味と言えるかもしれません。
 例えば、原薬の変更が生じた時、公定書や製造販売承認書の試験方法が分離分析であれば、類縁物質/不純物を確認できますが、滴定などの場合、新たな分離分析法の確立が必須になります。またOOSや品質問題が起きたとき、その品質問題を適切に評価する試験方法の確立が問題解決に大きな力を与えてくれます。さらに、加速試験を行わないと評価できない場合には、加速試験をしなくても問題を検出できる方法が確立できると問題解決のスピードアップに繋がります。評価するためにはサンプリングして試験を行いますので、サンプリングと統計/確率の知識も必須になります。これについては別の機会で説明します。
 一方、最近では溶出試験の製品回収が多くなっています。溶出試験はとてもデリケートな試験であり、ちょっとした変更に大きく影響を受けてしまいます。滑沢混合だけの製法だと原薬の結晶形や粒子径が溶出に大きく影響しますし、結晶形は安定性にも影響します。そのため、どのような試験をして確認するかがとても重要になり、そのための基礎知識を持つことがQCには必須になります。

 ここからは、品質問題発生時にその評価方法を確立して問題解決した事例を2つ紹介します。

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脇坂 盛雄

脇坂 盛雄

1979年エーザイ株式会社入社、9年間、品質管理と21年間、品質保証を担う。
専門領域はGQP品質保証、注射剤及び固形剤の異物対応、品質リスクの発見と低減対応 ・医薬品/食品の表示校閲、製品回収リスク回避対策 ・逸脱/苦情対応、変更管理(一変/軽微変更)対応。品質保証責任者(品責)、統括部長および理事を歴任し、2013年9月末に退職。
現在は企業のコンサル・顧問を行う傍ら講演会講師、書籍執筆などを精力的に行っている。