2018.09.14.FRI

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知的創造性を革新する組織と空間実現のメソッドプログラミング【第5回】

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執筆者:糀谷 利雄

知的創造性を革新する組織と空間実現のメソッドプログラミング【第4回】

知的創造性を革新する組織と空間実現のメソッドプログラミング

【第5回】知的生産性を上げる空間要素


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知的生産性上げる空間要素
それでは知的生産性を上げる空間構造の具体的な構成要素について述べたいと思います。さて、ここに複数の建築空間の要素が上がられています。
大きく分けて2つのグループに分かれます。コミュニケーションの条件を作り出す、見える化施設と、コミュニケーションする場としてのインタラクション施設であります。
相手を視認できる見える化はコミュニケーションの基本的な条件であり、見える化の拡大は知的生産性の高い研究施設の空間構造を決定するときの1つの原則であります。
 
吹き抜け見える化施設
では一つ一つ述べてみましょう
ある程度の規模の吹き抜けが、立体的な見える化を拡大する重要な装置なります。吹き抜けは研究開発施設の中心にあり、人の集中する大部分の空間を見ることができます。見えることによって、すべて階を一体化し、全体を一つに空間にする重要な装置なのであります。

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吹き抜け空間は、そこにいるだけで魅力を感じる空間でもあります。
階段、打ち合わせコーナーなどインタラクション施設を設置し、多くの人が集い対話することで、その存在がさらに大きな意味を持つことができます。
 
透明の壁、見える化施設
研究施設や生産施設においても最近ビルのオープン化、透明化をするためにガラスの多用が現象となっています。ガラスは壁を透明にすることで、空間に明るさと開放感を与えます。
さらに互いの作業状況や存在が視覚的に確認できることで、安心、安全、コミュニケーションの拡大を図ることができます。

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吹き抜けは床をなくすことによって垂直の見える化を拡大し、立体的にワンルームにしようとしていますが、透明の壁は中の仕切り壁をガラスにすることによって水平の見える化を拡大し、平面的にワンルームにしようとしているのであります。ワンルームが一つの組織という意識を醸成し、コミュニケーションを積極的に進める心理的大きな力となります。

曲線のビルディング、見える化施設
これは有名なスポーツメーカーのヘッドオフィスであります。最大の特徴は長い湾曲した回廊状のオフィスであります。外壁はガラスのカーテンウォールで、ゆるやかに内側にカーブをしています。​

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そのためオフィスのどの地点でもビルディングの外部の端から端まで見渡すことが出来、全員が一つのビルディングにいることを感じることが出来ます。そのことが心理的一つの組織の意識を醸成し、部門間の壁が低くなることが期待できます。
直線であるとビルの端を見ることができません。「直線は空間を無限にするが、曲線は空間を限定する。」これはかのサグラダ・ファミリアを設計したアントニオ・ガウディーの言葉であります。曲線のビルディングは内部にいてビルディングの外部形状やスケールの見える化を可能にしているわけであります。
 
インタラクション施設、広い回廊(スパイン)
次にインタラクション施設について話をいたしたいと思います。
情報を伝えようとしている人と情報を知りたいという人が同じ時間、同じ場所にいなければコミュニケーションは生まれません。出会いの場が必要なのです。
インタラクション施設とは自然に人がそこに集まり、議論や対話が起こりやすい場所、空間のことであり、知的生産性を高める空間構造の仕掛けであります。いくつか紹介いたします。
 
広い回廊は各施設をつなぎ、多くの人が移動し同時にそこで出会い、コミュニケーションが発生するインタラクション施設でもあります。コミュニケーションの空間を流動化し、範囲を広げることが出きます。
この写真はギュンター・ヘンが設計したミュンヘン工科大学の中央回廊であります。

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大学の複雑で孤立した多くの施設つなぐ回廊は職員、教授、研究者、エンジニアー、学生のバリアを取り払い、有効なコミュニケーションの場を提供することで、融合を果し、大学の発展に大きく寄与しています。
有名なMITの無限の回廊、マウンテンビューのグーグルのオフィスも同じ考えで移動空間をメインストリートと呼んで、ループ状に回し巨大なオフィスの一体化に成功しています。

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糀谷 利雄

糀谷 利雄

1967年明治大学理工学部建築学科を卒業。
1982年大手エンジニアリング会社入社。
医薬を中心に、生産施設、研究所など多数のプロジェクトに参画し、高生産性を実現する施設のコンセプトを計画・設計する。
現在、株式会社シーエムプラス フェロー

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