2018.07.02.MON

品質システム(PQS)

GMP文書管理 ~Data Integrityを踏まえた文書・記録の作成と管理~【第2回】

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執筆者:新井 一彦

GMP文書管理 ~Data Integrityを踏まえた文書・記録の作成と管理~【第1回】

GMP文書管理

~Data Integrityを踏まえた文書・記録の作成と管理~

本記事は2018年6月に書籍「GMP文書管理 Data Integrityを踏まえた文書・記録の作成と管理」(発行 : 株式会社シーエムプラス)として刊行いたしました。
※書籍版と本記事は体裁や付属資料など、一部異なる仕様となります。



第2章 作成すべきGMP文書

1. 作成すべきGMP文書とは
 GMP文書とは、医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令(いわゆるGMP省令)(平成16年12月24日厚生労働省令第179号)に規定されている文書であり、全てのGMP文書は、管理されなければならない。管理とは、Data Integrityを踏まえた文書管理であることは、言うまでもない。
 以下に、文書体系の例を示すが、従来型のGMP文書体系にICH-Q10(医薬品品質システム)を取り込み、品質マニュアルに基づく運用が改正GMP省令(2019年施行見込み)で求められることになるであろう。
 製造所において、これらのGMP文書が作成されていることは当然のことであるが、改正GMP省令で、様々な業務に品質リスクマネジメントの考え方が導入されることも踏まえ、GMP文書に対する要求事項を順次整理する。

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1.1 製品標準書
 今回は、前記GMP文書の内、「製品標準書」について解説する。製品標準書は、製品を製造するために必要な全ての情報を集約したものであり、医薬品の個々の品目ごとに作成されるもので、製造管理および品質管理に関する個別詳細情報を記載し、製造管理に運用されるものである。予測的バリデーション及び実生産規模バリデーションのデータを基にして製造条件、試験条件等を規定するものであり、「製品標準書」とは、医薬品を製造する作業のバイブルであると言える。
 製品標準書の作成・保管の法的根拠は、医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令(いわゆるGMP省令)(平成16年12月24日厚生労働省令第179号)である。
 
(製品標準書)
第七条  製造業者等は、製品(中間製品を除く。以下この条において同じ。)ごとに、次に掲げる事項について記載した製品標準書を当該製品の製造に係る製造所ごとに作成し、保管するとともに、品質部門の承認を受けるものとしなければならない。
一 製造販売承認事項
二 法第四十二条第一項 の規定により定められた基準その他薬事に関する法令又はこれに基づく命令若しくは処分のうち品質に関する事項
三 製造手順(第一号の事項を除く。)
四 製造しようとする製品が生物由来製品たる医薬品(以下「生物由来医薬品」という。)、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行令 (昭和三十六年政令第十一号)第八十条第二項第三号 イに掲げる生物学的製剤、法第四十三条第一項 の規定により厚生労働大臣の指定した医薬品、遺伝子組換え技術を応用して製造される医薬品、遺伝子組換え技術を応用して製造される医薬品を原料として使用する医薬品、人若しくは動物の細胞を培養する技術を応用して製造される医薬品、人若しくは動物の細胞を培養する技術を応用して製造される医薬品を原料として使用する医薬品又は細胞組織医薬品(以下「生物由来医薬品等」と総称する。)に係る製品である場合においては、次に掲げる事項
イ 原料として使用する人、動物、植物又は微生物から得られた物に係る名称、本質及び性状並びに成分及びその含有量その他の規格
ロ 製造又は試験検査に使用する動物(ドナー動物を含む。以下「使用動物」という。)の規格(飼育管理の方法を含む。)
五 その他所要の事項

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新井 一彦

新井 一彦

C&J 代表
化学系企業にてバイオテクノロジーを利用した医薬品の探索、開発研究に従事。その後、開発医薬品(無菌製剤)の製造工場立上げに製造管理者として関わりGMP組織体制、基本構想を構築した。
平成17年の改正薬事法完全施行に合わせ、新たに製造販売業を取得するため某ジェネリックメーカーの設立に関与。取締役信頼性保証本部長として総括製造販売責任者の責務を担った。
現在、C&J 代表として、講演、執筆、国内外のGMPコンサル業務活動を推進。