2018.11.16.FRI

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【改訂版発出!PIC/S GMPガイドラインPart1】ASTROM通信<116号>

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執筆者:橋本 奈央子

【EMA発出/曝露限度設定ガイドラインQ&A集ドラフト他】ASTROM通信<115号>

【改訂版発出!PIC/S GMPガイドラインPart1】

ASTROM通信<116号>

株式会社プロス発行のメールマガジン『ASTROM通信』のバックナンバーより記事を抜粋し、一部改編をしたものを掲載いたします。

本稿は【2017.02.15】に発行されたものです。
記事の原著は、こちらでご確認下さい。 ASTROM通信バックナンバー


こんにちは
ASTROM通信担当の橋本奈央子です。

立春を過ぎてもまだ厳しい寒さが続いていますが、いかがお過ごしですか?

さて、2016年12月22日に、PIC/S GMPガイドラインPart1の1章、2章、6章、7章の改訂版が発出されました。
ご存知の通り、日本は2014年にPIC/Sに加盟し、PIC/S GMPガイドラインを活用しています。
PIC/S GMPガイドラインが改訂されると、これまでのところ、少し時間をおいて厚労省より事務連絡で改訂版が周知されてきましたので、今回の改訂も数か月先には事務連絡にて周知されると思われます。
そこで今回は事務連絡が出る前に、改訂版の内容を把握しておきたいと思います。

最後までお付き合いいただければ幸いです。

■出典
PIC/S GMPガイドライン
https://www.picscheme.org/en/publications?tri=gmp


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1章 PHARMACEUTICAL QUALITY SYSTEMS(医薬品の品質システム)
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タイトルが変更になり、QUALITY MANAGEMNT(品質管理)がPHARMACEUTICAL QUALITY SYSTEMS(医薬品の品質システム)に変わりました。
また、中味の変更箇所は下記の通りです。
・原則は、新旧ほぼ同じ
・新1.1章は旧1.1章の一部
・新1.2章~1.3章は新規
・新1.4章は旧1.1章に項目追加
・新1.5章~1.7章は新規
・新1.8章は旧1.2章、新1.9章は旧1.3章、新1.10章~1.11章は旧1.4章、新1.12章は旧1.5章、新1.13章は旧1.6章とほぼ同じ
ここでは、新規もしくは内容が追加されている新1.2章~1.7章をみていきたいと思います。
1.2章 GMPは治験薬から、技術移転、商業生産、製造中止までのライルサイクルのステージに適用される。しかし、医薬品の品質システムは、任意ではあるが、ICH Q10に述べられたように医薬品の開発ライフサイクルにも拡張できるものであり、イノベーションや継続的改善を促進し、医薬品の開発と製造活動のつながりを強めるべきである。
1.3章 新しい医薬品の品質システムを開発する時、会社の活動の大きさや複雑さは考慮されるべきである。システムの設計は適切なツールの使用も含み、適切なリスクマネジメントの原則を組み込むべきである。システムのいくつかの面は、全社的であったり、製造所固有であったりするが、システムの効果は通常は製造所レベルで示される。
1.4章 医薬品の製造に対し適切な医薬品の品質システムは以下を保証すること。
(ⅰ) 製品実現は、設計、計画、実装、維持、システムの継続的改善により達成され、適切な品質特性を持った製品の一貫した配送を可能にすること
(ⅱ) 製品と工程の知識は、全てのライフサイクルを通じて管理されること
(ⅲ) 医薬品はGMPの要件を考慮に入れた方法で設計され、開発されること
(ⅳ) 生産及び管理作業は明確に規定されたGMPが適用されること
(ⅴ) 経営陣の責任が明確に規定されること
(ⅵ) 適正な出発原料及び包材の製造、供給及び使用、供給者の選択とモニタリング、各配送が承認されたサプライ・チェインからであると証明することに対する手はずが取られていること
(ⅶ) システムのプロセスが、外部委託された活動を確実にするために整っていること
(ⅷ) プロセス性能と製品品質に関する効果的なモニタリング及び管理のシステムを開発し使用することにより、管理状態が達成され、維持されること
(ⅸ) 製品と工程のモニタリング結果は、バッチの出荷判定時、逸脱の調査、将来起こり得る潜在的な逸脱を防ぐための予防処置をとる目的で考慮されること
(ⅹ) 中間製品、他のいかなる工程管理及びバリデーションに関し、全ての必要な管理が実施されていること
(ⅺ) 工程と製品の知識の現在のレベルにあった品質改善の実施を通じて、継続的な改善が容易になること
(ⅻ) 規制関連の通知や必要とされる承認を考慮したシステムの実装に先立ち、予定された変更の予測的評価やそれらの承認の準備が整っていること
(xiii) いかなる変更後も、品質目標が達成され、製品品質に予期しない有害な影響がないことを確認するための評価が行われること
(xiv) 逸脱、欠陥が疑われる製品、その他の問題の調査に適切なレベルの根本原因の分析が、適用されるべきである。
これは、品質リスクマネジメントの原則を使って判断できる。問題の真の根本原因が判断できない場合、もっとも根本原因である可能性が高いものの特定やその対処のための検討がされるべきである。原因として人為的ミスが疑われるか特定された場合、手順またはシステムに基づくエラー、見落とされていた問題を確実にするために、注意してこれが原因であると証明されるべきである。適切な是正処置及び/または予防処置(CAPAs)が特定され、調査に対する対応として取り入れられなければならない。それらの活動の効果は品質リスクマネジメントの原則に従ってモニタされ評価されなければならない。
(xv) 各生産バッチが販売承認要件及び生産、管理及び出荷管理に関連する他のいかなる規則にも従い製造され管理されたことをオーソライズドパーソンが保証する前に、医薬品は販売または供給されないこと
(xvi) 医薬品がその有効期間中、品質を維持できるよう保管、配送され、その後も取り扱われることを出来る限り保守する十分な手筈が存在すること
(xvii) 品質保証システムの実効性及び適用可能性を定期的に評価する自己点検及び/または品質監査の手順があること
1.5章 経営上層部は、効果的な医薬品の品質システムが整っていて、適切に提供され、その役割、責任及び権限が定義され、組織を通して伝えられ、実行されていることを確実にする最終的な責任を負う。経営上層部のリーダーシップと、医薬品の品質管理システムへの積極的な参加は不可欠である。このリーダーシップは、医薬品の品質システムの組織内の全てのレベル、全ての製造所のスタッフのサポートと関与を保証しなければならない。
1.6章 製品、工程、システム自身の継続的な改善のための機会を判断するために、経営上層部、医薬品の品質システムの業務が関与した定期的なマネジメントレビュがあるべきである。
1.7章 医薬品の品質システムは明確に定義され文書化されていなければならない。品質マニュアルまたはそれと同等の文書が制定され、経営者の責任を含む品質マネジメントシステムの記述を含んでいなければならない。

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橋本 奈央子

橋本 奈央子

株式会社プロス CSマネージャ

製薬企業向け生産管理システムの導入、バリデーション作業に従事。
コンピュータ化システムバリデーションにマンパワーをかけられない
中小の製薬企業にて、バリデーション作業支援を実施。
規制当局のサイト等から、最新の規制動向や指摘事例を収集し、月2回ASTROM通信にてご提供。