2018.06.22.FRI

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医療分野でのベトナム進出に関する法規制及び新薬事法細則のポイント【第3回】

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執筆者:石川 賢吾

医療分野でのベトナム進出に関する法規制及び新薬事法細則のポイント【第2回】

医療分野でのベトナム進出に関する法規制及び新薬事法細則のポイント

【第3回】新薬事法細則(Decree 54/2017/ND-CP)のポイント


【関連セミナー】
医薬品/医療機器及び医療分野でのベトナム進出に関する法規制
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 前回まで、医療分野でのベトナム進出に関する法規制の内容を検討しました。
今回からは、2017年7月1日より施行されている新薬事法細則(Decree 54/2017/ND-CP)のポイントについて解説します。
 
1 新薬事法(Law 105/2016/QH13)に基づく改正のポイント
 まず、Decree 54の内容に入る前に、その前提となる新薬事法(Law 105/2016/QH13)のポイントについて確認したいと思います。新薬事法は、2017年1月1日から施行されており、以前の連載記事「ベトナム医薬品・医療機器分野への進出に関する法規制」第3回 1) では、新薬事法に基づく改正のポイントについて、以下のとおり整理しています。
 1)医薬品登録時の臨床試験の免除に関する5年要件の撤廃
 2)OTC医薬品のスーパーマーケット等での販売解禁
 3)政府調達等の際に国内製造の医薬品を優先
 4)外資企業への医薬品輸入業の解禁
 
 上記のうち4番目のポイントについて、以下のような事情が背景としてありました。
すなわち、ベトナムは、2007年のWTO加盟時に批准したWTOコミットメントにおいて、国内市場の外資への段階的な開放を約束していますが、医薬品輸入業(医薬品をベトナム国内に輸入し卸売業者に販売する事業)については、2009年1月1日以降の市場開放を約束していました 2) 。しかし、2009年以降も、外資企業が医薬品輸入業を行うための要件や手続を規定する国内法が一向に制定されず、ベトナム国内法の不備により、医薬品輸入業が事実上外資に開放されないという状況が続いていました。
 この点、新薬事法及び同法施行直後にパブリックコメントのために公開されていたDecree 54の草案において、外資企業による医薬品輸入業を許容するものと思われる規定が存在し、Decree 54の施行による医薬品輸入業の外資への解禁が期待されていました。
その後、2017年7月1日より、外資による医薬品輸入業の許可要件やその申請手続を規定したDecree 54が施行されており、当該Decree 54によって上記国内法の不備が是正され、WTOコミットメントに従った外資への医薬品輸入業の開放が実現されたものと評価されています。
 


1) 詳細は、www.gmp-platform.com/topics_detail1/id=4221をご参照ください。
2) 他方で、医薬品流通業(ベトナム国内での医薬品の卸売及び小売業)については、WTOコミットメントに
  おける市場開放の対象から除外されており、現在でも外資への開放は予定されていません。

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石川 賢吾

石川 賢吾

弁護士(東京丸の内法律事務所)。2007年一橋大学法科大学院卒業。2008年弁護士登録(第二東京弁護士会)。2015年米国ジョージタウン大学ロースクール卒業。同年ニューヨーク州司法試験合格。2015年~2016年ZICO Law法律事務所ホーチミンオフィスに勤務し、日系企業のベトナム進出案件に従事。2016年9月より東京丸の内法律事務所に復帰。