2017.07.26.WED

その他レギュレーション関連

ベトナム医薬品・医療機器分野への進出に関する法規制【第4回】

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執筆者:石川 賢吾

ベトナム医薬品・医療機器分野への進出に関する法規制【第3回】

ベトナム医薬品・医療機器分野への進出に関する法規制

第4回 医療機器分野の外資規制と医療機器製造業に関する法規制


【アップデートセミナー】
医薬品/医療機器及び医療分野でのベトナム進出に関する法規制
~M&Aの実務上の留意点も含めて~

 

1 ベトナムにおける医療機器関連法令
 今回の連載から、医療機器分野へのベトナム進出に関する法規制について検討します。
 まず、ベトナムにおける医療機器の製造、販売等について適用される法令はDecree 36/2016/ND-CP(Decree 36)です。
 Decree 36は2016年7月1日に施行されており、新薬事法と同様、比較的新しい法律です。従前は、医療機器がベトナム国内で製造されるか、輸入されるかによって適用法令が異なり、前者についてはCircular 07/2002/TT-BYT(Circular 07)、後者についてはCircular 30/2015/TT-BYT(Circular 30)が適用されていましたが、Decree 36により、ベトナム国内製造であるか輸入品であるかにかかわらず、全ての医療機器について一つの法令が適用されることになりました。Decree 36により、医療機器分野における法規制がより整理され、理解しやすくなったと評価されています。
 Decree 36に基づく法規制の中身については、進出形態に即した形で後述します。
 
2 医療機器分野における外資規制
 医薬品分野での進出にあたっては外資規制が大きな問題となり、外資企業はベトナム国内での医薬品の卸売、小売事業に進出できないなど様々な障害が存在しました。
 この点、医療機器分野での進出に関しては、特段の外資規制は見当たりません。したがって、外資企業がベトナムに進出する際に通常要求される投資登録証明書(IRC)の取得など、最低限の外資規制は存在するものの、医薬品分野のように進出形態の検討にあたって外資規制が重要な判断要素となることはないといえます。
 外資企業は、以下のような形態によりベトナムへの進出を検討することができます。
 1)ベトナム国内に製造拠点を設けて医療機器を製造し、ベトナム国内で販売する。
 2)ベトナム国内に拠点を設け、自社又は他社製造の医療機器の輸入元となり輸入した
   医療機器を販売する。
 3)ベトナム国内に拠点を設けることなく、ベトナム国外で製造した医療機器を現地の
   輸入代理店に輸出する。
 4)医療機器の製造、販売等を行う現地企業に対して資本参加する。

 
 医薬品分野への進出形態と比較すると、上記2)のとおり、他社製品についていわゆる商社的な形で製品の輸入、卸売、小売事業を行うことが可能であること、上記4)のとおり、株式の外資保有割合につき特段の制限がないことから現地企業との交渉次第では株式の過半数の取得も可能であることが注目すべき点と思います。上記のとおり、医療機器分野においては、外資規制にそれほど縛られることなく、比較的自由に進出形態を選択することが可能といえます。

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石川 賢吾

石川 賢吾

弁護士(東京丸の内法律事務所)。2007年一橋大学法科大学院卒業。2008年弁護士登録(第二東京弁護士会)。2015年米国ジョージタウン大学ロースクール卒業。同年ニューヨーク州司法試験合格。2015年~2016年ZICO Law法律事務所ホーチミンオフィスに勤務し、日系企業のベトナム進出案件に従事。2016年9月より東京丸の内法律事務所に復帰。