2021.04.09.FRI

建設プロジェクトマネジメント

医薬品工場建設のノウハウ 【第6章-1】

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執筆者:塚田 進

医薬品工場建設のノウハウ
-プロジェクトの成功に向けて-

【第
6章-1】詳細設計・建設        
 ※技術的な話ではなく、PJ遂行について


6.1 PEPの作成・実施

PEP(Project Execution Procedure,プロジェクト遂行要領書)は、プロジェクトの目的、実現手法、工程、関係工事企業、担当窓口、図書管理要領などを明確にし、関係者にどのようにプロジェクトが遂行されるのかを理解してもらうための文書であり、円滑なプロジェクト運営の拠り所となる。
 施主に雇用されたCMrの立場からは、プロジェクト遂行要領書には二種類存在すると考えるべきだろう。一つは施主とCMrの間で契約で合意されたCMサービスをどのように遂行するかを説明するもの。もう一つは、全てのプロジェクト関係者向けに、プロジェクト工程、情報授受方法、確認文書の取り扱い方法、図書発行・承認手順、定期会議開催規定、検査立会区分などを説明するものである。一般社団法人日本コンストラクション・マネジメント協会発行の「CMガイドブック」では、前者をCM業務計画書、後者をCM業務説明書と呼んでいる。この章では、プロジェクトを円滑に遂行することを目的とし、施主にも理解してもらいたい後者について解説する。
                        
以下の項目はこのPEPに記載すべき事項の一例である。プロジェクトの特性を考慮し、CMrが適宜必要な項目を設定する。また、初版では後半部の一部を「作成中」としても差し支えない。

 1)    プロジェクトの目的
 2)    マスタースケジュール
 3)    関係企業組織
 4)    各社連絡窓口担当者
 5)    連絡方法
 6)    質疑・技術図書確認方法
 7)    図書発行手順、図書承認手順
 8)    図書変更手順
 9)    定期会議体の設置
 10) 工事検査立ち合い区分
 11) 検査立ち合い区分、立会検査申請手順
 12) 官庁検査
 13) 検収条件と手順
 14) 完成図書要求
 15) 契約上の追加・変更管理要領(ただし、PEPはプロジェクト関係者全員
    に配布されるものであることから、追加変更費用決定手順、検収手順に
    関する事項など、契約上の規定に関係するルールは限定メンバー使用の
    別文書で定めることを推奨する。)

上記を踏まえ、PEP実践上の重要項目について以下の章にて解説したい。
 

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塚田 進

塚田 進

株式会社シーエムプラス 執行役員。
1級建築士、認定コンストラクションマネージャー(日本CM協会)。
1983年大手エンジニアリング会社入社。大型EPC案件の土木・建築を中心とした国内・海外プラント設計、海外現場管理を経験。エンジニアリング マネージャー、建築部部長代行を経て、2006年同社インドネシア法人社長に就任。700余名の現地社員を率い2014年まで企業運営とインドネシア国内中小案件をリード。海外駐在は、インドネシア、UAE, タイ、イラン、中国、カタール等、延べ15年以上に及ぶ。2016年株式会社シーエムプラスに入社。 国内外固形製剤工場、食品関連工場、医療機器製造設備等において顧客側コンサルタントとしてプロジェクトマネジメント業務(基本設計、ゼネコン引合い・評価、遂行管理等)に従事。2018年4月より現職。