2021.02.26.FRI

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Good Documentation Practice(グッド・ドキュメンテーション・プラクティス)【第1回】

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執筆者:星野 隆

1.はじめに
 ここ数年の政府や官僚の発言や行動に腹を立てて、私はキーボードを叩くことになった。というのは、2020年の新型コロナウィルス対応で、某大臣は「PCR検査を受けるのは体温が37.5℃を目安としており、基準ではない。これは誤解である。」と発言した。「ナニー!? ちょっと待てよーー」と言いたいところであるが、仮に百歩譲って誤解だとすると、このような誤解を生むような伝達が問題であり、国民や医療機関に正確に意図が伝わるわけはない。まさしく、正確に伝達するためにグッド・ドキュメンテーション・プラクティスは存在するのである。
またここ数年、官僚たちのドキュメント廃棄事件がある。ドキュメントの管理もグッド・ドキュメンテーション・プラクティスの一つであるといえる。グッド・ドキュメンテーション・プラクティスについて、まず政府や官僚たちが勉強して実施して欲しい。また、文書の改ざんもグッド・ドキュメンテーション・プラクティスに反するのである。
 ボヤキはここまでとする。「グッド・ドキュメンテーション・プラクティスはどこまですればよいのか」という質問をよく耳にする。Goodを目指すからそのような疑問が沸くのだろう。「Bestを目指せばその疑問はなくなるはずである。Bestを目指した結果、GoodかBetterレベルにしかならないのだから。」と私は答えている。例えば、野球というのは相手チームより1点多く得点すれば勝つゲームである。しかし、監督はじめ選手達は、1点差だけではなくもっと多くの得点差にするために、常にベストを尽くして戦っていると思う。結果として、1点差でなんとか勝てたということもある。「グッド・ドキュメンテーション・プラクティスではBest Documentationを目指すべきという」のが私の考えである。
 グッド・ドキュメンテーション・プラクティス(Good Documentation Practice)を略してGDPということがあるが、GDPにはGood Distribution Practiceという意味があることも付け加えておく。

2.グッド・ドキュメンテーション・プラクティスとは
 グッド・ドキュメンテーション・プラクティスの基本は、ドキュメントの書き手が意図したことを、正確に誤解なく読み手に伝達することである。この基本的な考えに戻れば、個々の場面でグッド・ドキュメンテーション・プラクティスをどうすればよいかの答えが、自ずと出てくる。査察に対応できることがその目的ではない。結果として、査察に対応できるものになっているということである。また、グッド・ドキュメンテーション・プラクティスはグローバルスタンダードである。

 正確にということは、誤字脱字を含めて間違いがないということである。私も、脱字やパソコンの変換間違いなどのミスをよく犯してしまう。誤字脱字の程度は小さな問題と思っているなら、考えを改めていただきたい。誤字脱字により意味が異なる場合も多々ある。また、正確にというのは真実の文章であることでもある。偽装内容であってはいけないし、あるいは真実の部分を隠すこともあってはならない。

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星野 隆

星野 隆

1971年3月大阪大学工学部機械学科卒業後、同年4月武田薬品工業(株)に入社。2014年3月の同社退社までの間、同社および同社の関連会社における建設工事において、プロジェクト業務に携わった。プロジェクトの種類としては、医薬品、ビタミンバルク、調味料バルク、化学品、農薬等の生産施設をはじめ、研究所の建設にも携わった。また、国内外のプロジェクトや、他社との共同プロジェクトにも参画した。また、メンテナンスやユーティリティ部門のマネジャーの経験もあり、総合的なエンジニアである。
社外の活動としては、ISPE(国際製薬技術協会 : International Society for Pharmaceutical Engineering)の日本本部理事、常任理事を歴任。日本プロジェクトマネジメント協会理事。
現在は、個人コンサルタントStar Enterprise(プロジェクトマネジメント、エンジニアリング、イベント企画)。