2020.06.26.FRI

その他レギュレーション関連

【最近のウォーニングレター】ASTROM通信<190号>

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執筆者:橋本 奈央子

【PIC/Sドラフト:変更管理関連のPQS評価】

ASTROM通信<190号>

株式会社プロス発行のメールマガジン『ASTROM通信』のバックナンバーより記事を抜粋し、一部改編をしたものを掲載いたします。

本稿は【2020.3.15】に発行されたものです。
記事の原著は、こちらでご確認下さい。 ASTROM通信バックナンバー

~安全な医薬品の安定供給をご支援する~

こんにちは
ASTROM通信担当の橋本奈央子です。

WHOが新型コロナウイルスのパンデミックを宣言し、国内でも、時差出勤・在宅勤務・小中高一斉休校等これまで経験したことのない事態が発生していますが、皆様いかがお過ごしでいらっしゃいますか。

今回は、2019年11月28日にPIC/Sが発表した、“リスクベースの変更管理との関連で、PQS(医薬品品質システム)の効果の評価・実証方法の提言”のドラフト(PI-054-1(Draft 1))について見ていきたいと思います。

最後までお読みいただければ幸いです。


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“リスクベースの変更管理との関連で、PQSの効果の評価・実証方法の提言”の
ドラフト(PI-054-1(Draft 1))
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※1章 文書履歴、2章 序論 省略

3章 目的

3.1 この文書の目的は、リスクベースの変更管理との関連で、PQS(医薬品品質システム:Pharmaceutical Quality System)の効果を評価し実証する指針を提供することにある。

これは、PIC/S GMPガイドラインが企業に対し、PQSの効果を示し、変更管理活動にQRM(品質リスクマネジメント)の原則の適用を求めていることによる。


3.2  PIC/S GMPガイドライン1章では、PQSの効果と計画された変更に関し、以下のように述べていることに注意したほうがいい。

  ●原則
  GMPとQRMを取り入れ、包括的に設計され、正しく実装されたPQSがあるはず
  である。それは完全に文書化され、その効果がモニタされているはずである。

  ●1.3章
  システムの効果は、通常は、現場レベルで実証される。

  ●1.5章
  経営層は効果的なPQSが実施されていることを保証する最終的な責任を持つ。

  ●1.4(xii)章 
  計画された変更の予想される評価と実施前の承認のための取り決めがされていな
  ければならない。


3.3 変更管理に関連しPIC/S GMPガイドラインのAnnex15は以下のことを述べている。

  ●11.1章
  変更管理は、ナレッジ管理の重要部分であり、医薬品品質システムの中で管理さ
  れるべきである。

  ●11.4章
  品質リスクマネジメントが、計画された変更の評価、必要なプロセスバリデー
  ション、検証または、再適格性評価の取り組みを計画するために使用されるべき
  である。

  ●11.7章
  変更の効果の評価が実施されるべきである。

3.4 この文書の5章のガイダンスは、以下の点に対応している:

  ●リスクベースの変更提案に含まれている可能性がある重要な要素

  ●変更提案を行った医薬品製造業者による、変更提案のリスク視点からのアセス
   メント
   その厳しさ、取り組み、文書作成は、リスクのレベルに釣り合っていて、変更
   による製品品質、安全性、効能、他の製品、工程、システムに対する潜在的な
   リスクと利点を適切に評価したリスクアセスメントを行っていること

  ●リスクレベルに基づく、医薬品製造業者による変更のカテゴリ化

  ●リスクアセスメントの結果と割り当てられたリスクレベルが、変更計画、優先
   順位付け、実施とそのタイムラインをコントロールするような変更の計画と実
   施の役割

  ●医薬品製造業者における変更のレビュと効果のアセスメント
   変更が意図した目的と事前に定義した効果の基準を満たすかという観点で、残
   りのリスクが評価され、許容可能なレベルになるよう管理され、管理状態の維
   持を保証するために変更が継続的なモニタリングシステムによってモニタされ
   ていること

3.5 5章以下で立案されているガイダンスの製薬会社による適用は、リスクベースの変更管理に関連して、企業で、PQSの効果のエビデンスを提供することが検討されている。もし、そのようなリスクベースの変更管理システムが企業のPQSにあるならば、よりよい品質と製造能力、継続的な改善とイノベーションはもちろん、製品品質、患者の安全性に対する迅速なリスク管理にもつながるはずである。

3.6 前述のPIC/S GMPの要求の文脈だけでなく、効果的なPQSがあること(Appendix 1参照)を示したようなリスクベースの管理を述べたICH Q10の文脈も重要である。このガイダンスは、変更管理の承認後に関して、現在ICHで開発中のICH Q12のガイドラインの原則やコンセプトの実施をサポートするのにも有効かもしれない。

3.7 この提言とこのガイダンスで見込まれる利点の背景に関するより多くの情報は、PIC/S Concept Note PS/INF 88/2019(https://picscheme.org/en/publications)で提供されている。

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橋本 奈央子

橋本 奈央子

株式会社プロス CSマネージャ

製薬企業向け生産管理システムの導入、バリデーション作業に従事。
コンピュータ化システムバリデーションにマンパワーをかけられない
中小の製薬企業にて、バリデーション作業支援を実施。
規制当局のサイト等から、最新の規制動向や指摘事例を収集し、月2回ASTROM通信にてご提供。