2020.05.29.FRI

新技術

健康ベース曝露限界(HBEL)すなわちPDE設定の背景と課題について

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執筆者:GMP Platform事務局

PDEとは
PDE(Permitted Daily Exposure、一日曝露許容量)は、一生涯毎日曝露したとしても有害な作用を与えないと考えられる医薬品原薬の用量を示した曝露経路毎の限度値であり、毒性学的根拠に基づいて許容される健康ベース曝露限界(HBEL)の一つです。
医薬品製造の共用設備における交叉汚染防止のための洗浄バリデーションや、産業衛生管理に利用されます。

国際的なリスクベース医薬品品質管理の背景
従来の交叉汚染管理には、1/1000用量、10ppm、目視限界といった洗浄基準が用いられてきました。
健康ベース曝露限界(HBEL)すなわちPDEについては、2015年のEMAのHBEL設定ガイドライン、2018年のPIC/S-GMPガイドライン改定、及び健康ベース曝露限界(HBEL)設定ガイドライン制定により、すべての製品に対して毒性学的根拠に基づいた健康ベース曝露限界(HBEL)すなわちPDEを確立する必要があるとされました。

PDE設定と従来の安全性評価の違い
これまで、日本の製薬企業では、医薬品のPDE設定はされてきませんでした。
PDE設定においては、これまで製薬企業で実施されてきた医薬品の安全性評価とは異なり、産業衛生の観点から、医薬品を不純物として曝露した場合(交叉汚染リスクが生じる場合)のPDE(1日曝露許容量)を設定するための毒性評価が必要になります。

PDE設定の手順
PDE設定は、下記の手順で進められます。
 1.   医薬品の添付文書、臨床データ(入手可能な場合)などの有害性情報の収集
 2.   有害性情報を精査して、種々の試験結果におけるNOAEL(無毒性量)等を
   比較・検討し、PDEを設定するための出発点である
   POD(Point of departure)を選定する。
 3.   調整係数(不確実係数)の設定
   ※F1(種差)、F2(個体差)、F3(曝露期間)、F4(影響の重篤性)、
    F5(無毒性量への調整)
 4.   PDE算出:PODに調整係数等を適用してPDEを算出する。
   
   ※weight adjustmentは、人の体重(男女問わず50kgとする)への補正。
 5.   PDE設定レポートの作成

日本エヌ・ユー・エス株式会社は、長年にわたる化学物質の有害性評価・リスク評価(毒性学的根拠に基づくリスク評価)の経験を有し、PDE設定に必要な、PODの選択や、調整係数(不確実係数)の設定に多くの経験があります。
また、ISPEのContainment COPや、PDE設定検討会に所属し、最新情報の収集を行っています。
また、第三者機関としてPDEを設定し、レポートを作成いたします。
 

第47回日本毒性学会学術年会への出展のお知らせ
日本エヌ・ユー・エス株式会社(JANUS)は、2020年6月29日(月)~7月1日(水)に開催される第47回日本毒性学会学術年会(Web開催)にオンライン出展いたします。
医薬品に対するPDE(Permitted Daily Exposure, 一日曝露許容量)設定サービスに関する業務内容を、オンラインSponsor ホスピタリティルーム(仮称)において、専用チャンネル(2時間)でご紹介する予定です。
会期中、お客様のPCからオンラインでJANUS専用チャンネルに接続していただき、展示ブースのように対面で自由にコミュニケーションをとる形で、JANUSのPDE設定をはじめとしたサービスについてご紹介します。

JANUSのSponsor ホスピタリティルーム(仮称)出展時間
 日程:2020 年7 月1 日(水)15:00~17:00

 なお、上記開催時間にご参加できない場合は、別途web会議等で当サービスの
 ご案内をすることも可能です。当社担当者にお問い合わせください。
 http://www.janus.co.jp/tabid/101/Default.aspx?itemid=336&dispmid=454

「第47回日本毒性学会学術年会」開催概要
 http://jsot2020.jp/contents/general.html
【年会長】広瀬 明彦(国立医薬品食品衛生研究所)
【テーマ】“One Toxicology” ワントキシコロジー
     -毒性学の知性をすべての生命(いのち)のために-
【主 催】 (一社)日本毒性学会 
【期 間】 2020年6月29日(月)~7月1日(水) 
【会 場】 Web開催
【参加登録】
 ※本年会は「Web開催」となりますが、参加には参加登録が必要となります。
 事前参加登録期間: 2020年01月24日(金) ~ 2020年05月29日(金)
 ご登録は下記のURLからお願いします。
 http://jsot2020.jp/contents/participant.html


【記事執筆者】
 石塚由佳子
 平成20年3月 理学修士(東北大学大学院理学研究科化学科博士前期課程修了)
 平成28年11月 日本エヌ・ユー・エス株式会社
大気汚染防止法における優先取組物質(環境目標値未設定物質)等について、環境基準・指針値を設定・改定する上での根拠となる健康影響評価に係る検討を実施。また、大気汚染物質について、諸外国や国際機関等における規制や基準値の動向を調査。
化学物質の健康リスク評価の行政支援を行ってきた知見を活かして、医薬品業界への貢献をしたい。
 
 和田恵子
 昭和62年3月 水産学修士(長崎大学大学院水産学研究科修士課程修了)
 昭和63年1月 日本エヌ・ユー・エス株式会社
環境中の汚染物質としての化学物質、農薬等に関する健康リスク評価の業務に20年間従事。このうち、大気汚染防止法における優先取組物質の環境基準・指針値の設定業務の支援を15年間にわたり実施している。この間、WHO、米国環境保護庁、欧州化学品庁等のリスク評価(手法を含む)の動向調査、水道水質基準策定に係る業務、残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約の関連物質の有害性評価業務、家庭用品に含まれる化学物質の有害性評価及び消費者曝露量推定業務、労働者の健康影響に係る有害性情報のとりまとめ等の支援も実施。これらの業務において、疫学研究(特に産業衛生学分野)、実験動物の毒性学的知見、遺伝毒性学分野の知見の精査、リスクキャラクタリゼーション、毒性学的な評価値案策定の経験を積んできた。
上記業務を通じて、毒性学、公衆衛生学、産業衛生学、疫学分野等の多岐にわたる専門家とのネットワークを有する。これらの業務経験を活かし、医薬品のPDE設定に係る技術的課題に取り組み、医薬品業界への貢献をしたい。
 
■■■会社案内■■■
 

日本エヌ・ユー・エス株式会社の
PDE設定サービスに関する問い合わせ先:

http://www.janus.co.jp/tabid/100/Default.aspx?itemid=335&dispmid=453

会社代表連絡先:
webmaster@janus.co.jp
電話番号:03-5925-6770(ユニット代表)
日本エヌ・ユー・エス株式会社  地球環境管理ユニット
東京都新宿区西新宿7-5-25西新宿プライムスクエア5階

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