2020.02.07.FRI

品質システム(PQS)

GMPヒューマンエラー防止のための文書管理【第29回】

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執筆者:中川原 愼也

GMPヒューマンエラー防止のための文書管理【第28回】

レビュー

1.評価
 GMPも変革の中で、レビューが求められる点が増えている。品質照査である年次レビュー、マネジメントレビューをはじめ、変更管理における最終的な品質への影響が想定内であるか確認のレビュー、CAPAにおける有効性確認のレビュー、教育訓練における実効性評価としてのレビュー等管理の面でそのレビューをすることは重要であり、必要である。ヒューマンエラーが生じたとき、その発生原因をきちんと探ることにより、レビューとしてその対策が有効であるか確認できる。単に教育訓練不足とするのではなく、その操作や作業を行う担当者や照査者の人間心理や行動を見極めることが必要である。複雑な作業や操作は、「めんどくさい」「難しい」となりやすい。簡単な作業や操作は思い込みとなりやすく、十分なチェックなしに行動してしまうことが多い。定例的な作業ほど思い込みによるエラーが発生する。これが慣れである。そのエラーを起こした者がベテランか新人かも当然考慮しなくてはならない。ヒューマンエラーを教育訓練不足と片付けると再発防止策が十分に効果を上げないことになり、思わぬ結果を招くことになる。レビューで確認することは必須である。
 レビューとは復習である。学生時代の勉強においても復讐は大切である。しかし、製造所の多くでレビューがされていない。CAPAにおける再発防止策や予防措置が有効であることの確認がされてなく、ヒューマンエラーの再発が起こる。最初のヒューマンエラーを起こした者は注意をし、再発がなくとも、同一ラインで別の者が起こしたり、別ラインで、同様のエラーが起こったりする。再発してから教育訓練が徹底していないと怒っても後の祭りである。CAPAが有効であるかレビューをし、教育訓練のシステムとして実効性があることをレビューしなければならない。逸脱が発生した原因が特定できず、推測に基づき、是正措置を行う場合、その推測が妥当なもので、是正措置が有効かの確認は、是正措置後、一定の時間を要する。教育訓練システムにおける実効性評価もOJTの場合、その作業者自身に教育訓練の効果があったかどうかの確認である有効性評価は、直後にその作業者の実作業を確認することにより行うことができる、しかし、教育訓練システムにおける、教育指導者の指導方法、受講者に対する判定や教育訓練プログラムの内容などの実効性評価を直後に行うことは困難である。
 レビューは、単なるチェックではない。PDCAサイクルにおける評価checkであり、その後の改善や対策、そして計画に反映させることが重要である。変更管理や逸脱処理、自己点検等でクローズできず、終了させられないのは、レビューを適切に行っていないことによるケースが多い。一定期間後にレビューをする予定で、そのまま放置されないように進捗管理するシステムを構築することが重要である。

  PDCAサイクル
 

 昔、神奈川県庁時代、業許可で調査をした際、5年前の許可更新の際の指摘がそのまま放置されていたケースがあった。5年間に調査に立ち入る機会がなく、軽微の指摘なため、製造所も安易に考え、改善計画は提出したがそのままにし、改善に着手しなかったためである。当局査察や外部監査の指摘事項は、CAPAによる処理が求められる。改善の確認のためにも、CAPAの有効性確認はしなければならない。

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中川原 愼也

中川原 愼也

高田製薬株式会社生産本部品質統括部門品質統括部長
1984年神奈川県庁に入庁し、1997年国立公衆衛生院(現在の国立保健医療科学院の前身)でGMP研修を受講後、薬務課及び小田原保健所等で医薬品等の製造販売業、製造業の許認可、審査、指導を主にGMP・GQPリーダー査察官として16年にわたり活躍した。その間、MRA(日・欧州共同体相互承認協定)の締結の際のEUの調査、2005年の製造販売承認制度の施行に携わり、PIC/S加盟にあたり、厚生労働省の委員等委嘱を受け、次の活動に参加した。
平成20、21年度 GMP/QMS調査・監視指導整合性検討会委員
平成21、22年度 厚生労働科学研究~GMP査察手法の国際整合性確保に関する研究
2012年に神奈川県庁を退職し、医薬品原薬輸入商社であるコーア商事株式会社で、品質保証部長として国内管理人としてのGQP取決め及び医薬品製造業としての GMP管理を統括した。2015年から株式会社ファーマプランニングにて、GxPコンサルタント業務に携わり、2017年高田製薬株式会社に入社、4月より同大宮工場製造管理者に就任。