2020.01.17.FRI

医療機器(品質システム)

FDAの対応すべき医療機器規制について【第4回】

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執筆者:細田 誠一

FDAの対応すべき医療機器規制について【第3回】

第4回 QSRではRecordとなっているが実はDocument

 QSR要求事項でRecordという名前がついているものに、Device Master Record(Part 820.181)、Quality System Record(Part 820.186)、Device History Record(Part 820.184)がありますが、これらのうちDevice Master Record、Quality System RecordはRecord=記録ではなく、Record=文書(Document)を意味していると理解する必要があります。
その前に、文書と記録の違いですがISO 9000による用語の定義では以下の通りとなります。

・文書:情報及びそれが含まれている媒体(ISO 9000:2015, 3.8.5)[11]
・記録:達成した結果を記述した、又は実施した活動の証拠を提供する文書(ISO 9000:2015, ¬¬¬3.8.10)[11]

 これに付け加えて解説しますと、まず記録とは、起こったことを記録したもので、それを書き換えることは通常は行われずに保持(retain)されるものとして扱われます。それに対し文書とは、その記述によって品質システムを運用するため最新版に維持するもので、書き換えることで最新版となり、改訂できることが記録とは違うということになります。
 ちなみにISO 9000に適用される「附属書L」[15](旧付属書SL)では、「文書」「記録」という用語は使用されておらず、すべて「文書化した情報(documented information)」という表現に統一されていますが、文書管理として改訂可能かどうかは歴然として区別すべきこととして変えてはならない要点です。

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細田 誠一

細田 誠一

東京電機大学卒。オリンパス光学工業(株)、オリンパスメディカルシステムズ(株)、オリンパス(株)にて、医療用内視鏡システムの設計・開発、製造と工程管理、品質保証と多岐に亘る業務担当の経験を重ね、グループ子会社の工場品質部門にて品質システムの管理責任者、オリンパスメディカルシステムズ製造部門にてプロセスバリデーション推進、本社品質保証部門にてCAPA活動推進の責任者の任務を遂行しました。FDA査察/MDD 監査/QMS 適合性調査における実践対応の経験、および定期FDA査察においてNAI(No Action Identified)に導いた実績があります。定年退職後、現在はコンサルタント、セミナー講師、書籍等への執筆活動を進めております。

資格等
IRCA品質マネジメントシステム審査員補
(公財)日本医療機器センター QMS講習会検討委員
未来医学研究会会員