業界雑感 【2021年6月】

 コロナワクチン接種が迷走している。個別接種・集団接種・自治体による大規模接種・国(自衛隊)による大規模接種・職域接種と拡大してきた結果、接種のスピードは上がってきている。目標としていた一日百万回接種も達成しているようだが、65歳以上の高齢者以外は接種券すら届いていないとか、届いていても未だ予約すらできないとかいう自治体も多数ある中で、一部の市町村では配分されたワクチンが余ってきて64歳以下への一般接種も開始されている。理念としては国民全体への平等なワクチン接種機会の提供を目指したのだろうが、それが裏目にでているような気がしないでもない。さらに職域接種に関して、申請が増加しモデルナ製のワクチンの供給量を上回る見込みとなったために、新規受付が一時停止されている。大企業や医学系の学部を持っている大学とかはいち早く接種体制を組み、既に接種が始まっているところもある。一方で中小企業や町の商店街など、接種希望者集めからはじめなければならず、打ち手や接種会場の確保、日程調整等に苦労し、時間がかかっている間に梯子を外されてしまっている。当初ワクチン接種の課題は打ち手の確保と言われ、薬剤師が接種可能とすべしとの議論があったのは何だったのだろうかと思わなくもない。
 私自身も6月10日に第一回目の接種を受け、3週後の7月1日に二回目の接種を待っている状態なのだが、予防接種済証に張られた第一回接種のラベルを見ると有効年月日が2021年8月31日と記載されているのに気が付いた。この有効期限から逆算すると(製造日翌月起算6ヵ月としても)今年の1月製造のものということになる。製造番号から調べてみると、このロットの検定合格日は4月28日で日本への入荷は12ロット目(1製造番号を1ロットとして、6月25日まででファイザー製ワクチンは合計35ロット検定合格している)ということになる。単純に考えて1月から4月迄ヨーロッパのほうで保管されていたもの、ということになる。
 

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