ゼロベースからの化粧品の品質管理【第9回】

 前回は、製造工場で重点的に取り組むべき事項で、品質保証面や原価面でも大きな影響がある逸脱管理についてお話させて頂きました。逸脱管理とは、文章化されない事項も含めて、ほぼ同じ、一定となっている作業手順、管理基準、試験基準から外れた状態となった時に、製品品質への影響リスクについて考え、対応する手順であることをお伝えしました。
 例えば、原料をこぼしてしまい、該当原料を再秤量して工程を進めた場合には、こぼしたミスの事項に着目して再発防止等を考える事項ではなく、生産工程が途中で止まった、撹拌時間が定められて時間、或いは、過去ほぼ一定の撹拌時間で行われた事項に着目して、管理する手順になります。こぼしてしまった事項は、トラブル防止を中心とした議論では当然議論されるべきです。しかし、GMPの議論では、そのバッチを生かし製品として市場に出荷するならば、従来とは違う事項が製品品質に影響するリスクについて評価することが軸足になります。また、良く見られるケースとしては、逸脱管理を適合外品の扱いと混同されて、試験結果で品質水準に適合しない場合の管理手順と捉えられている方がおられます。しかし、これも間違いです。逸脱、トラブル、失敗、ミスの違いについては、もう少し議論した方が良いのかもしれません。しかし、多くの先生方が既にお話されていますのでこの辺りで止めさせて頂きます。そして今回は、逸脱管理と同様、製造所では頻繁に起こる変更事項に関連する管理手順である、変更管理について、留意すべき事項と手順書への落とし込みについてお話しします。

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