ドマさんの徒然なるままに【第26話】


第26話:QA三秒ショッキング5/QAあるある

♪♪♪ 🎶 ~ ♬ ♬ ♩ ♩ ♩ ♫ ♫ (某ご長寿料理番組の音楽のつもり)
はーい、QA三秒ショッキングのお時間です。今回はQA担当者であれば、「あるある」と思ってしまう些細な出来事です。QAでない方は、「そーなんだー!?」と思ってください。でも良く考えてみてください。自分の業務担当者内には、内々にしか分からない専門用語を交えた、「こんなことってあるよなー!?」と思い出される会話があるんじゃないですか。
それでは、スタート!

● OOS!?
ランチタイムの社員食堂で、
社員A「今日のA定食、いまいちだなー!?」
社員B「B定食はまあまあだよ。」
社員A「そっかー、俺の舌がおかしいのかな?」
社員C「いいえ、今日のA定食はOOSです。」

● 再試験!?
社員食堂で、先の会話の続き、
社員B「それじゃ、うどんでも食べれば?」
社員A「そーだな。じゃ、きつねうどんでも食―べよっと。」
社員C「先輩、ダイエット中じゃなかったんですか?」
社員A「そーだけど、このままじゃスッキリしないから。」
社員C「先輩、それ逸脱じゃ?」
社員A「いや、単なるラボエラーによる再試験っていうことに。」
社員B「奥さんに叱られても知らないよ!」
 (天の声)こやつ、勝手にラボエラーということにして、しかも再試験じゃと!?
 《筆者注》ご存知の通り、OOSは単に結果が不適合ということではありません。ラボエラーという判定にも、調査した上での妥当な根拠が必要です。まして再試験を行うにはそれなりの理由が必要ですし、同一オペレーターによる再試験なのか別オペレーターによる再試験なのか、最初に採取された同一検体の再試験なのかといったことも考え合わせなければなりません。ましてや再サンプリングを必要とした場合には、その明確な根拠が求められます。さらに再試験の回数や結果判定とする数値の妥当性(試験項目によっては必ずしも平均値ではない)といったことを事前に決めておくことが求められます。あくまで科学的論理に基づいての対応だと認識してください。

● 逸脱
社員食堂で、先の会話の続き、
社員A「定食以外にうどん食べたって言わなきゃバレないしさ。」
社員C「先輩、それって、逸脱報告しないっていうのと同じですよ。」
社員A「そんなSOPもないし。大丈夫、大丈夫。」
社員B「お前、変なところ正直だから心配だわ。」

● CAPA
翌日のランチタイムの社員食堂で、
社員A「奥さんに定食以外にうどん食べたってこと、口をすべらしてしまった。」
社員B「そーれみろ。奥さんに滅茶苦茶怒られたろ。お前の奥さん、ダブルチェック
   並みに厳しいし、そんじょそこらの査察官より誘導尋問が上手いから。」
社員C「先輩、それでCAPAをどうするって回答したんですか?」
社員A「これから1週間はダイエットランチ限定にするってことで了解された。」
社員B「だから言わんこっちゃない。今度やったら営業停止処分相当のランチ停止
   になっちゃうよ。」

● コンプライアンス
社員食堂で、先の会話の続き、
社員A「えーん、奥さん恐いんだよー!」
社員B「約束破ったお前が悪いだけでしょーが。」
社員A「そーなんだけどさー。1回くらい食べ過ぎたからって許してくれて
          もいいよね」
社員C「先輩、それって家庭内コンプライアンス違反なんじゃないですか?」
社員B「君が正しい。約束事や決め事はキチンと守って実践しましょう。
   そうでなきゃ、コンプライアンスの意味ないじゃん。」
社員A「えーん!」
 (天の声)Aさんは恐妻家かよ。
 《筆者注》お前と同じだな。
 (天の声)ワシに奥さんはいない。いたとしても、ワシは神様だから絶対だけどね。
 《筆者注》ふーん・・・(その後、沈黙)。
 (天の声)お前、ワシを馬鹿にしてるじゃろ!

● 
クオリフィケーション・バリデーション・ベリフィケーション

オフィスで、
社員A「今度の4月に新しい課長が来るんだって。それで俺が新入社員と転入者
   のための初任者研修の講師をしろってさ。」
社員B「お前が? お前、クオリファイバリデートもされてないじゃん。
   そんな奴が講師なんて笑っちゃうよ。」
社員A「当日の結果でベリファイしてやるよ。」
社員C「先輩、それって結果オーライになっちゃうので、ベリフィケーションとは
   言えないんじゃないですか?」
社員A「うるさい!」
 (天の声)Cさんは出来る奴じゃな。
 《筆者注》読者の皆さん、それぞれの相違説明は省きますが、Cさんのように、クオリフィケーション・バリデーション・ベリフィケーションをシッカリと勉強しましょうね。

● 教育訓練
オフィスで、先の会話の続き、
社員B「C君、君は正しい。まずは初任者研修講師としての教育訓練からスタート
   かな?」
社員A「お前までがそれを言う。うるさいやっちゃなー。」
社員C「僕で良ければ、その初任者研修の講師を務めましょうか?」
社員A「くっそー!」
 (天の声)お前も教育訓練が必要なレベルじゃな。
 《筆者注》うるさい、黙れ! ところで、神様って、なるのに教育訓練はあるの?
 (天の声)ワシは生まれながれの“神”だから、教育訓練なぞ不要じゃ。
 《筆者注》教育訓練しても手の施しようがないレベルだったということか。
 (天の声)久々に天罰―!。
 《筆者注》ぎゃー!。

● 
苦情処理

オフィスで、別の話に、
社員A「C君、最近課長から色々言われてない?」
社員B「依頼と言うよりも、注文だよね。いや、むしろ文句かな?」
社員C「根拠のない苦情処理と言ってください。」
 (天の声)こいつら、どういう連中なんじゃ?
 《筆者注》社内での上司による苦情? ノーコメントということにさせて頂きます。

● 回収処理
オフィスで、先の会話の続き、
社員A「C君よ、お前、課長からあんなに文句言われているのに、
          よく我慢できるな?」
社員B「まだ若いし、人生忍耐だよ! そのうち良いこともあるさ。」
社員C「大丈夫です。そのうち回収処理として倍返ししますから。」
社員Aと社員B「へっ?」
 (天の声)Cさん、結構恐い奴やな。
 《筆者注》このくらい出来る奴が仲間内にいると心強いよね。それとも、先輩のAさんとBさんが情けない?
 (天の声)ところで、社内での苦情だとか回収の処理って、どういうことじゃ?
 《筆者注》先に続いて、ノーコメントということにさせて頂きます。
 
● 変更管理
オフィスで、別の話に、
社員A「C君、4月1日付けで隣のグループに席替えだって?」
社員B「へー、そうなんだ。あっちの課長の●●さんはキツイよー。」
社員C「●●課長と長い付き合いだという■■さんからそう聞いているので、
   対策としてシッカリと変更管理してます。」
社員Aと社員B「やるもんだねー。」
社員B「■■さんの情報が“承認”されたものかどうか、他の人の意見も確認して
   おいたほうがいいよ。」
社員C「いわゆる承認書記載事項との齟齬や乖離の確認ですね。了解です!」
 (天の声)CさんくらいGMPを理解した上で業務に励んで貰いたいもんじゃ。
 《筆者注》GMP省令改正案、パブコメも終了し、さらにどう変わるか分かりませんが、PIC/S GMPもあるので基本的に行うべきことは読めているかと思います。文字面としてではなく、各条項として記されていることの本質(何故そんなことを求めているか)を読み取り、自製造所並びに製造品目の物性・特性を鑑み実践に繋げましょう。 

● 技術移管
オフィスで、先の会話の続き、
社員A「ところで、異動の準備は大丈夫?」
社員B「まだ若いから、質的にも量的にもそんなに業務引き継ぎはないよね。」
社員C「技術移管計画書を設定しいている最中です。」
社員Aと社員B「さっすが!」
 (天の声)コレッて技術移管って言うのか? 大げさな話じゃのー。
 《筆者注》同部内での課単位の異動ならば、情報だけの伝達ですし、後で聞くことも可能ですが、これが本来の技術移管ともなれば、技術の伝承がメインとなる他工場や他社への引き継ぎとなり、一大イベントとも言える大変な作業となります。品質に大きく影響するので、バリデーションも含めて詳細で綿密な計画の下、引き継ぎ事項を一つ一つ確認しながら行っていきましょう。また、後日のために一連の結果についてはキチンと報告書を作成しておきましょう。 


皆さんお気付きかとは思いますが、社員A・B・Cにはキャラを付けています。大枠の設定は以下の通りです。各キャラを踏まえて再度お読み頂くと状況と雰囲気が強まり、さらに笑えるかと思います。
・社員A:ちょっとボケかましの好きな一般的タイプ。
・社員B:Aさんと同期で冷静とも言えるが、他人事のようでちょっと冷たいタイプ
・社員C:Aさん、Bさんの後輩で将来を有望視されたエリートタイプ

さて、新型コロナウイルスのために社員どうしの会食もままならぬ状態になってしまいましたが、感染防止協力として今しばらく我慢しましょう。何年か後、「会食禁止や黙食なんて時代もあったねー」と想い出話にできる時代が来ると思います。それまで、多少の辛さはあったとしても、それが収束への近道だと思って我慢しましょう。

では、また。See you next time on the WEB.


【徒然後記】
娘よ、親を泣かすんじゃない!!
家内が不慮の事故に遭い、救急車で緊急搬送となった。緊急オペ後に医師から一言。「申し上げにくいのですが、絶望的です。もって1週間かと。」
筆者、3人の子供(長男・長女・二女)がいるが、すぐさま連絡。長女が最も近くに住んでいたため、当日のうちに駆けつける。その日の晩、夜も深まってしまったこともあり、子供を預かってもらっている旦那の実家まで車で送ることに。助手席に座る娘に何気なく言う。
「母さん、父さんと結婚して幸せだったんかなー?」
「幸せに決まってるよ。だってお母さんから、愚痴とかボヤキとか聞いたことない。お母さんは、お父さんのことを好きだとか、愛してるだとかを超えて、尊敬してたのよ。」
尊敬なんてこと、家内から聞いたことなかったし、そんな素振りを見せられたこともなかった。それとも、私がバカで気づかなかっただけか・・・。
目の前が曇る。事故を起こさないように気は運転に向けていたものの、涙が・・・。
娘よ、有り難う。でも、その一言は、余計に泣かせるんだよ。
 

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