ラボにおけるERESとCSV【第75回】

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7.483における指摘(国内)
前回より引き続き、国内企業に対するFDA 483に記載されたデータインテグリティ観察所見(Observation)の概要を紹介する。
 
■ LLL社 2019/6/11 483 その2/3
施設:原薬と添加剤


■Observation 2
年次製品品質レビュー(APQR: Annual Product Quality Review)を1年毎に実施するよう貴社の手順書に規定されている。しかし、そのとおり実施されていないものがあった。

★解説-1 年次品質レビューで使用するスプレッドシート:
査察において年次製品品質レビューを調査する際、年次製品品質レビューで使用されているスプレッドシートも調査されるので注意が必要である。
•  出荷判定には係わらないが、年次製品品質レビューが査察対象になり得る
•  元データの加工が正しく行われたことを証明できるようにしておくのが重要
•  年次製品品質レビューに使用するスプレッドシートは、QCラボや製造
   においてルーチンで使用するスプレッドシートと同様に以下の管理が必要
 ◆   バリデートすること
 ◆   入力セル以外は変更できないよう保護すること
 ◆   元データが正しく入力されたことを確認し、その記録(証拠)を残すこと

年次製品品質レビューに使用されているスプレッドシートに対するFDA指摘を以下に紹介する。

•  2016/8/25 インド 製剤工場 (WL)
§211.68(b)
 ◆   品質部門のコンピュータがアクセス制限されておらず、
   権限なくデータを変更できてしまう
 ◆   年次品質レビュー(APQR)のスプレッドシートに全職員が
   アクセスできる
   APQR: Annual Product Quality Review
 ◆   年次品質レビューが入っているコンピュータがロックされていない

•  2017/11/11 インド 製剤工場 (483)
 ◆   APQRのためにQAが編集したデータが正確であることを
   レビューしていない。例えば;
   ◇  エクセルのデータにモレがなく正確であることをQAが
      レビューした記録がない

•  2018/8/10 日本 原薬工場 (WL)(483 2017/9/8)
 ◆   年次製品レビューにおいて
   ◇   保護されていないエクセルワークシートにより、
     製造データの統計解析を行っている
   ◇   これらのエクセル電子ファイルは
     ・   権限のない変更から保護されていない
     ・   変更履歴がない

 


 

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