食品業界のサプライヤーオーデット【第1回】

はじめに
 FSSC22000は食品産業界で広く利用されている食品安全のためのマネジメントシステム規格である。2020年9月現在、世界で2万4千件以上、日本では2500件の第三者認証登録があり、サプライヤーオーデットの規格としても国内で最も広く利用されている。本項では複数回にわたってFSSC22000とは何か、どのような要件で構成されているのか、などについて製薬業界の読者にも伝わるように書いてみたいと思う。第1回と第2回については、法令・商取引上の背景とFSSC22000誕生の背景について述べることとしたい。

食品の国際貿易-CODEX規格
 食品業界のサプライヤーオーデットの基盤はHACCPである。世界貿易機関WTOの前身であるGATT(General Agreement on Tariffs and Trade;関税及び貿易に関する一般協定)のウルグアイラウンド(1986年~1994年)において、国際貿易における食品安全の基準としてCODEX委員会(Codex Alimentarius Commission;国連の専門機関である国連食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)が合同でつくった、食品規格を決定する委員会)が定める食品衛生の一般原則(Basic Texts on Food Hygiene)が採択されたことにより、この一般原則の附属書であるHACCPガイドライン(Hazard Analysis and Critical Control Point (HACCP) System and Guidelines for its Application)が国際基準となり、各国の法令と商取引のための民間認証にHACCPが登場することとなった。
 世界の主要国が加盟するWTOは、貿易の国際紛争を解決する場でもあるが、食品貿易で何らかの紛争が起こったとき、その判断基準の一つとなるのがCODEX規格である。WTO加盟国が順守しなければならない「Sanitary and Phytosanitary Measures;衛生および植物検疫に係る措置に関する協定(SPS協定)」や「Agreement on Technical Barriers to Trade;貿易の技術的障害に関する協定(TBT協定)」では、科学的に証明される特別な理由がない限り、このCODEX規格を守らねばならない。そのため、関連する各国の食品関連法規制にCODEX規格は大きな影響を与えている。

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