通訳あるあるネタ【第27回】

今回は、よく耳にするけれど実は意味の違いがよくわからない表現を解説します。

1.    Delegation vs. Empowerment 
GCPで頻出する delegation log(治験責任医師がどの業務を誰に分担させるのかを具体的に記した記録)。ビジネス英語では、delegation とempowermentが時にinterchangeableに(同じ意味で)使われますが、実は意味が少し違います。

Delegation: Assigning tasks to your direct reports →部下にタスクを委譲する

Empowerment: Seeking to give your direct reports more authority with the aim of developing their commitment, enthusiasm and expertise (“making their own decisions along the way and taking ownership of the work”)→コミットメント、熱意、専門性を育てる目的で部下に権限を委譲する(タスクを遂行する中で意思決定を行い、自分の仕事にオーナーシップ[責任感]を持つ)

両者を的確に表現する日本語が思いつかないので、私は「デリゲーション」、「エンパワーメント」とカタカナで訳すことが多いです。次に挙げる「エンゲージメント」や「コミットメント」も同様ですが、適切な和訳が出来ずにカタカナにすると、「結果にコミットする」、「エンゲージメントを高める」のように、わかるようでわからない表現が増えて、通訳者の悩みの種です。それぞれの言葉が何を意味するのかをきちんと理解し、聞いている人が直感的にわかる訳出ができるように、日々精進です。

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